私は一昨年の夏にEOS Kiss X2を購入して約10年ぶりに天体写真撮影を再開したが、それから昨年末までの約1年半ほど、遠征にはスカイメモRを持ち出していた。これは1998年に購入したもので、購入当時は銀塩による星野写真撮影に用いていた。
それが、今年に入ってから直焦点撮影機材を持ち出すようになったため、それに押し出される形で車から降ろしてしまった。
一番の原因は、専用三脚&微動マウントの大きさである。
これはしっかりと安定していて極軸も合わせやすいが、スカイメモRが小型赤道儀クラスの大きさになってしまい、とてもポータブルとは言えなくなる。セダンのトランクには、直焦機材と共に入りきらなかった。
それで最近、遠征には直焦機材しか持っていってなかったのだが、現地に着いてから直焦機材を組み立てるかどうか迷うような状況が結構あった。例えば雲量が多すぎて、機材を組み立てても徒労に終わりそうな可能性が高い場合、また雲行きが怪しくて雨の心配がある場合等である。
そのようなときは、とりあえず三脚とカメラだけ出して固定撮影をしていたが、それではちょっともの足りない。また、直焦撮影中でも別途星野撮影も並行しておこないたい。というわけで、やはりポータブル赤道儀は持って行きたい、と思うようになった。
そこで、CD-1などの簡単なポータブル赤道儀の購入を考えたが、折角スカイメモRがあるので、これを復活させる事にした。
まず、現状で機材いっぱいの車に積み込むためには、専用三脚&微動マウントはあきらめてカメラ用三脚に載せるしかない。しかしスカイメモRが載るような三脚は持っていなかったので、これを機に丈夫なカメラ三脚を購入することにした。これは色々検討したが、比較的安価で、重くて丈夫そうということで、SLIKのPRO 700DX IIIに決定した。流行のカーボンではないが、徒歩では持ち歩かないので重くても構わないし(むしろ利点)、耐荷重は10kgある(旧型は5kgだが、DXIIIは10kg)。このクラスにしては安い(通販で2万2千円ほど)。早速、ストーンバッグと共に購入した。ストーンバッグは、電池やコントローラー類をまとめて放り込むため。
三脚が到着してスカイメモRを載せてみたが、丁度良い感じ。
雲台もしっかりしていて、スカイメモとカメラを載せても滑らかに動くし、ちゃんと固定出来る。カメラ雲台では極軸が合わせにくそうだが、広角~標準レンズでの撮影用と割り切れば、それほど精度は要らないと思う。また、専用三脚は現地での組み立てに時間がかかっていたが、この三脚なら伸縮ロックがレバー式ということもあって短時間での設置が可能と思う。
固定撮影に比べて増える手間としては、
- 三脚にスカイメモRを載せる(カメラネジを締めるだけ)。
- スカイメモRに赤緯軸(ウェイトと自由雲台取り付け済み)を付ける(レバーでロックするだけ)。
- スカイメモRに電源(電池BOX)のコードを差し込む。
- 極軸を合わせる。
だけなので、固定撮影並みの手軽さで撮影出来そうだ。
というよりむしろ、これが「ポタ赤」の本来の姿ではなかろうか。
赤緯軸がある分、CD-1やTOAST、TT320X等に比べるとまだ大げさではあるが、とりあえずはこれで運用してみたい。
(こうなると、カメラがもう一台必要になってくるが、それも検討中)。
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