ASI482MCと200mmレンズによる星空動画

ピクセルサイズが大きめのCMOSカメラ「ASI482MC」を入手して、星空動画の撮影と画像処理をぼちぼちと試している。元々の目的は流星など動きのある対象の撮影だが、流星以外にも何かに使えないかと色々と考えている。

普段の星空は動きが無いものなので、わざわざ動画で撮るよりはライブスタックして暗い星や星雲まで浮かび上がらせるほうが良い。また、星の日周運動やカメラのパンによる動きを表現するならば連続静止画撮影によるタイムラプスにする手法が適切と思う。

それをあえて明るい星しか写らない動画で撮影するのは、低倍率の眼視で星空を流すライブ感を再現したいから。それならば、SharpCapの画面をリアルタイムで眺めるべきで、録画したものを後からノイズ低減などの処理をするのはライブじゃないという気もするが、あくまでも雰囲気ということで。いつもは邪魔でしかない人工衛星や航空機、ちぎれ雲の通過も、動画ならではのアクセントになる。流星が横切る可能性は極めて低いが、もし写ればラッキー。

今回は、ASI482MCに200mmカメラレンズの「EF200mm F2.8L II USM」を付けてみた。これはもう20年以上も前の銀塩時代に中古で買ったレンズだが、現代の精細なCMOSセンサーでの使用にも耐える、高性能で明るい望遠レンズ。これを赤道儀化したAZ-Gtiに載せ、スマホコントローラー(SynScan Pro)の十字・斜めキーの手動操作で星空を移動してみた。

ASI482MC + EF200mm F2.8L II USM + AZ-Gti(赤道儀モード)
ASI482MC + EF200mm F2.8L II USM + AZ-Gti(赤道儀モード)

最初は、はくちょう座のアルビレオから、こぎつね座のM27(あれい星雲)への移動。

なるべく暗い星まで写すためにゲインは高めの400で、フレームレートをギリギリまで低くして8FPSとした(これ以上低くすると紙芝居的になる)。つまり露出時間は1/8秒。

手動操作でSharpCapの画面を見ながら移動したが、なかなかM27が現れず、方向を間違えたかと思っていたときに、薄っすらと「あれい状」の形が見えてきた。見え方はライブスタックや長時間露光の静止画に比べると極めて貧弱なものだが、感覚としては、やはり低倍率での眼視に近い。ただ、眼視よりは暗い星まで写っているようだ。SQM-L測定値で18.3の光害地だが、この動画では11.5等星ぐらいまで見えている。

次は、こと座のベガからM57(環状星雲)への移動。1分20秒ぐらいから画面左側で人工衛星の通過がある。

環状星雲も、なんとなくリング状になっているのが分かるかどうかのギリギリのところ。

自動導入で目的の星雲星団まで一気に移動するのも良いが、星図を見ながら手動で迷いながら導入していくのも、手動架台と紙の星図時代を思い出して懐かしい。できればズームレンズで倍率を変えたいが、たとえば明るい70-200mm F2.8などは中古でもそれなりに高価なので、あまり深入りせず、程々にしておいたほうが良いかも。

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