4月16日夜は快晴となった。土曜でもあるので何らかの活動をしようかと思ったが、あいにくの満月。星景を取りに外出する元気もないし、春の空なのでQuad BPで撮れそうな輝線星雲もない。月を取りたい気分でもない・・・。ということで久しぶりに二重星を撮影することにした。
ガイドブックはいつも頼りになる「都会で星を楽しもう(DSO観望ガイドブック Vol.3)」。この中から、「かに座」と「やまねこ座」の二重星を重点的に撮影した。
共通の機材と処理は下記の通り。
- 撮影日時:2022/4/16 21:00~22:00頃/明石市
- ミューロン180C(直焦点), UV/IR Cut Filter
- ASI183MC Pro, 0℃
- 撮像:FireCapture 2.7
- 処理:AutoStakkert!3(スタック), StellaImage9・Photoshop(調整)
- フラット・ダーク処理なし、ピクセル等倍
- 画像の上が北
かに座
・57番星(二重星)
![かに座57番星・5.4/6.5等・, 角距離=1.5″, 位置角=310.0°](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1235_5-cnc-57.jpg)
- ゲイン=300, シャッター速度=50ms, 3592フレームの10%をスタック
離角が1.5秒角と非常に接近しているが、光度が近いために分離して撮影できた。色は白っぽくて特に印象に残らない。
・HR3395, STF1245(二重星)
![かに座 HR3395, STF1245・5.9/7.2等・, 角距離=10.0″, 位置角=25.0°](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1215_8-cnc-HR3395.jpg)
- ゲイン=300, シャッター速度=50ms, 3591フレームの30%をスタック
主星。伴星ともに青っぽい二重星。離隔が適度で見やすい。暗めだが、青い星が寄り添って美しい。
・ι(イオタ)星(二重星)
![かに座 ι(イオタ)・4.0/6.0等・, 角距離=31.3″, 位置角=308.0°](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1230_3-cnc-iota.jpg)
- ゲイン=240, シャッター速度=33.3ms, 5220フレームの10%をスタック
主星の黄白色と伴星の青色の対比が美しい。「春のアルビレオ」と呼ばれている。離隔も大きいので分離しやすい。
・X(炭素星)
![かに座 X・6.2等・炭素星](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1223_2-cnc-X.jpg)
- ゲイン=300, シャッター速度=50.0ms, 3592フレームの10%をスタック
これは二重星ではなく「炭素星」。パソコンのモニターでも真っ赤な様子が良く分かった。一度、炭素星のみを対象にして巡ってみても面白いかも。
やまねこ座
・12番星(三重星)
![やまねこ座 12番星・4.9/6.0/7.2等・, (角距離=1.5″, 位置角=65.6°) , (角距離=9.8″, 位置角=119.0°)](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1250_lyn-12.jpg)
- ゲイン=300, シャッター速度=50.0ms, 3591フレームの10%をスタック
シーイングが悪かったためか、近いほうの2つは動画ではわかりにくかった。しかしスタック処理すれば分離した。
・19番星(二重星)
![やまねこ座 19番星・5.8/6.7等・角距離=14.8″, 位置角=316.0°](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1242_8-lyn-19.jpg)
- ゲイン=300, シャッター速度=50.0ms, 3591フレームの10%をスタック
主星・伴星共に青っぽい。離隔も大きめで分離しやすい。色のついた二重星は暗めでも美しく見える。
・38番星(二重星)
![やまねこ座 38番星・3.8/6.1等・角距離=2.6″, 位置角=223.0°](https://asbalcony.com/wp-content/uploads/2022/04/2022-04-16-1256_3-lyn-38-1.jpg)
- ゲイン=240, シャッター速度=32.2ms, 5386フレームの10%をスタック
離隔が小さいうえに主星と伴星の輝度差が大きいので分離しにくい。
撮影するのはすぐだが、そのあとの動画処理・スタックから静止画の調整まで実施すると結構な時間がかかった。それを7つ分なので、かなりの労力になった。二重星の撮影は特にいそがず、他に撮影対象が思いつかないときにぼちぼちやっていこうと思う。
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