前回の名古屋市科学館訪問(プラネタリウム編)の続き。
天文分野とは地学つながりということで、これまで鉱物・鉱石関連の展示施設もごくユルく巡ってきた(鉱物タグ)。それで昨年(2022年)夏ごろにこの名古屋市科学館で開催されていた「宝石展」に行きたかったのだが、新型コロナ感染拡大の第7波の時期に当たっていて断念していた。そこで今回、プラネタリウムに来たついでに鉱物の常設展示ぐらいはあるだろうと思って探してみると、恐竜の骨を展示しているフロア(生命館 2階 :地球のすがた)の一角にあった。
このフロアは化石や鉱石が展示されている。
このエビの化石はまるで「えびせん」ように見える。これを見て、せっかく名古屋まで来ているのだから「ゆかり」を買って帰ろう思ったのだが、結局忘れた。
銀河に色々な巻き方があるのと同様、アンモナイトにも色々な巻き方があるようだ。
イワシの仲間の化石だそうだ。
「ウニ」が化石になると、ただの丸い石と区別がつかない。
コハクに閉じ込められた虫のDNAが保存されていることがあるそうだ。恐竜の血液を吸った虫で、「ジュラシックパーク」、「ロストワールド」のようなことが現実に起きる可能性はあるのだろうか。中央に展示されている恐竜の復元骨格を見ながらそう思った。
熱水で内部の石英などが溶かされて空洞がたくさんできた花崗岩、だそうだ。「あわおこし」ぽい。
地層の割れ目にシリカが沈殿してオパールになったものだそうだが、あまりオパールには見えない。
テレビ石は見た目と名前で記憶に残りやすい。玄武洞ミュージアムにもあった。
鮮やかな青緑色で目を引く「珪孔雀石」。
水が蒸発するだけで、どうしてこんな面白い形になるのか不思議。
そもそもルビーとサファイアは同じものだそうだ。含有不純物の違いで色が変わり、赤っぽいものがルビーで赤以外のものがサファイア。サファイアにはブルー、ピンク、グリーンなどがある。
縞模様は岩の隙間に水酸化鉄がしみ込んで出来たそうだ。ミルフィーユのようにも見える。
高校の理科では地学を選択できなかったので、このあたりの知識は中学校(高校入試レベル)で止まっている。もちろん全く忘れているので調べなおすと、岩にはその作られ方によって大きく「火成岩」と「堆積岩」に分けられる。「火成岩」はマグマが冷えて出来たもので、「堆積岩」は泥や砂や生物の死骸が海や湖の底にたまってできたもの。「火成岩」のうち、地表近くで急に冷やされたものが「火山岩」で「斑状組織」、地中深くでゆっくり冷やされたものが「深成岩」で「等粒状組織」。
「火山岩」・「深成岩」はその中に含まれる有色鉱物の割合により色の濃さが異なり、名称も変わってくる。「火山岩」は白い順から「流紋岩、安山岩、玄武岩」、「深成岩」は白い順から「流紋岩、安山岩、玄武岩」。ここの展示はその順に並べられていたので違いが分かりやすい。確かに右側ほど黒っぽくなる。
下はその他の画像ギャラリー
展示の一部に「愛知県の石」という棚があった。
その中で愛知県の鉱物として選定されていたのが「カオリン」。
これは「カオリナイト」という鉱物を含む粘土で、磁器の原料となる。
名古屋で磁器と言えばノリタケ。ということで、今回の名古屋訪問の主目的である「ノリタケの森」へ向かうことにした。
ここも5年ほど前に立ち寄ったことがあって特にミュージアムの内容が良かった記憶があるが、その時はショップで買い物をする余裕が無かったので、今回再度訪問した。
「クラフトセンター・ノリタケミュージアム」のクラフトセンター部分(1・2階)ではボーンチャイナの製造工程や、原料、製法などの詳しい解説を見ることが出来るが、写真撮影はNGなのが残念。上の名古屋市科学館で展示されていたカオリナイトも原料の一つとして紹介されていた。そもそも陶器と磁器の違い、陶磁器の詳しい分類などは普段気にしたことが無かったが、改めて説明を見ると色々と複雑なのだと感じた。
このあたりの説明はこちらのWEBサイトが詳しい。
クラフトセンターには「絵付け体験」コーナーもあったが、時間が無かったのと、そもそも絵心も無いのでパスした。
ミュージアム部分(3・4階)では写真撮影がOK。
ノリタケが創業以来製作販売してきた製品が展示されている。特に皿とカップが壁に並んでいる様子は大変豪華。どれも貴重な物なのだろうと思う。
4階は大きな花瓶やデザイン画の展示。
ミュージアム見学の後はショップで買い物。
このショップはほとんど芸術品の超高価なものから普段使い出来る安価なものまで揃っている。今回は気に入ったデザインのものが有れば多少高くても買おうと思っていたが、買える値段内では特に欲しくなるものが無かった。それで結局アウトレットで普段使いの食器を数点まとめ買いした。これはもって帰れる重さではないので、宅配(有料)してもらった。
なお、ノリタケの森に隣接するイオンモールには「コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA」がある。こちらのプラネタリウムは2021年秋に開館した新しいもので、最新の自発光LED式(DYNAVISION®-LED)を採用している。5年前にここに来たときは無かったものなので興味もあったし、天文ファンならばノリタケの森よりも先に満天の方じゃないかという気もしたが、今回はノリタケの方がメインで時間もなかったのでとりあえずパスした。
【今回のまとめ】
・名古屋市科学館には鉱物・鉱石の常設展示が若干あり、愛知県の鉱物であるカオリン(カオリナイト)が展示されている。
・カオリンは磁器の原材料となる。
・ノリタケの森クラフトセンターで、磁器の製作工程を見ることが出来る。
・ノリタケの森ミュージアムの展示内容は豪華で素晴らしい。
・ノリタケの森ショップではアウトレット販売でノリタケ食器が安く買えて、宅配発送できる。
・ノリタケの森に隣接するイオンモールには「コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA」がある(今回は未訪問)。
コメント