今年のペルセウス座流星群は月齢の巡りが良く、月明の影響が少ない好条件。ただし極大時刻が日本時間で13日の17時ごろとなり日本で観測できる時間帯から外れている。そのため日本では12日/13日、13日/14日の2晩が観測好適日となる。どちらかというと13日/14日の方が極大時刻に近いので本命は13日の晩となる。
今年は条件も良さそうなので、どこかへ宿泊で出かけようかとも思ったが、盆休み中に手頃に泊まれるところも思いつかず、結局いつも通り日帰りで出かけることになった。当初は13日/14日にしようと思っていたが、13日の夜は台風7号の雲がかかり始める予報だったので、1日早い12日の晩に出かけることにした。
場所については、SQM値が21以上の空の暗い所がベストではあるが、今年は好条件ということもあって、有名遠征地(砥峰とか)はおそらく車がひっきりなしに来る状態になり、落ち着いて見ていられないのではと思った。それに最近この暑さで体力も落ちており、兵庫県中部まで夜中に行く元気もない。そこで、いつもの「妥協近征地」である加古川市の北部にした。23時前に現地に到着すると快晴。SQM値は20.2で、まずまずというところ。肉眼ではくちょう座からカシオペア座の天の川がうっすらと見えた。加古川市内で天の川が見えるのは、盆休みで光害が少ないせいか。
さっそくポラリエにPentax KPを載せて撮影開始。いつも自宅で行っているCMOSカメラ(ASI482MC)での動画撮影はパソコンが必要で、電源も含めて大荷物になるので持って行かなかった。今回は昔ながらのデジタル1眼カメラによる静止画撮影のみになる。また自宅バルコニーにASI482MCを仕掛けていこうかと思ったが、家を離れると急な降雨に対応できないので止めておいた。ただATOM Cam2のほうは雨が降っても大丈夫なので、これは録画しっぱなしで出かけた。
撮影を開始した後、リクライニングチェアに寝転んで観望開始。しかし極大1日前のためか、光害のためか、あまり流れない。
退屈なので、4cm8倍の双眼鏡で星雲・星団を観望してみた。まずM27(あれい星雲)だが、あっさりと見えた。M13は楽勝、M92もおそらく見えている。M57は分からず。M31(アンドロメダ銀河)は当然見える。M33も非常に淡くボヤっと見えた。M39やh・χなど散開星団は難なく見える。久しぶりで面白かったが、双眼鏡ばかり見ていると流星を見逃すので、肉眼での観望に戻った。0時を過ぎるとSQM値も20.4まで改善。
そのような感じで双眼鏡での観望を挟みつつ根気よく空を眺め続けていると、ペルセ群らしき明るい流星はボツボツと見られるようになった。ただ、光害のため暗い流星は見えないので数は少ない。またカメラの写野に入る流星はごくわずかで、明け方までに7個の流星が写るに留まった。そのうち2個は散在流星で、ペルセ群は5個のみだった。
同じ構図に入った流星を比較明合成でまとめてみた。
- 【環境】2023年8月12日-13日/兵庫県加古川市/気温25℃~29℃/光害レベル:SQM-L測定値=20.2~20.4
- 2コマを合成:①23:43, ②01:20
- 【光学系】SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM -> 18mm F2.5/プロソフトンクリア+スターリーナイトフィルター
- 【カメラ】PENTAX KP
- 【架台・ガイド】ポラリエ/ノータッチ恒星時追尾
- 【撮影法】ISO3200, 30sec. 連続撮影
- 【処理法】
- RStackerでダーク減算、PureRAW2でノイズ低減&デベイヤー, Lightroom Classicで調整
- ステライメージ9で比較明合成、3×3ソフトビニング
- ステライメージ9, Photoshopで調整
- 【環境】2023年8月12日-13日/兵庫県加古川市/気温25℃~29℃/光害レベル:SQM-L測定値=20.2~20.4
- 3コマを合成:①3:34, ②3:37, ③3:51
- 【光学系】SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM -> 18mm F2.5/プロソフトンクリア+スターリーナイトフィルター
- 【カメラ】PENTAX KP
- 【架台・ガイド】ポラリエ/恒星時追尾
- 【撮影法】ISO3200, 30sec. 連続撮影
- 【処理法】
- RStackerでダーク減算、PureRAW2でノイズ低減&デベイヤー, Lightroom Classicで調整
- ステライメージ9で比較明合成、3×3ソフトビニング
- ステライメージ9, Photoshopで調整
両画像とも、画面の上から下へ流星が流れているが、流星の色が緑からオレンジへ変化しているのが分かる。肉眼では色はあまり認識できない。
それから、やはり動画撮影に比べて写る流星の少なさには不満が残る。パソコンを一晩駆動できる容量のバッテリーを買って、CMOSカメラによる動画撮影も併用したほうが良いのかもしれない。ただそうなるとかなりの荷物になるので、ちょっとためらわれる。
結局、肉眼で見ることが出来た流星は十数個程度と少なく、カメラでとらえた流星はもっと少なかったが、久しぶりに天の川が見える空を眺めることが出来たので、有意義だったと思う。
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