【機材】SKYMAX90(9cmマクストフカセグレン)

先日、Acuter Opticsの自動導入経緯台「トラバース」を購入し、6cm屈折であるBORG60EDを載せて太陽、月、二重星などを撮影してみた。

一眼レフとの組み合わせで完全コードレスな軽量セットでの撮影はとても手軽で、ちょっとした隙間時間でも楽しめることが分かったが、やはり6cmの屈折ではちょっと物足りなかった。特に焦点距離はテレコンバータを用いても490mmしかない。太陽や月、明るい二重星は光量がたっぷりあるのだから、F値が暗くても焦点距離が長めの方が良い。

そこで、トラバースに載せられる範囲でもうすこし口径が大きめの鏡筒を検討したところ、SkyWatcherの9cmマクストフカセグレン「SKYMAX90」が良いとの結論になり、早速購入した。ここでSKYMAX90にはドブテイルバー(アリガタ)が下についているSKYMAX90Pと、横についているSKYMAX90Gの二種類があるが、私はトラバース経緯台に載せて用いるため、SKYMAX90Gのほうを選択した。Pの方が値段が若干安くてキャリングバッグまで付属してお得だが、使い勝手の面で妥協はできないので仕方が無かった。

品物が到着して、早速トラバースに載せてみた。

SKYMAX90G
SKYMAX90G

昼間なので太陽撮影形態になっている。筒先にはバーダープラネタリウムのアストロソーラーフィルター(減光10万分の1)、ファインダーはソーラーファインダーとなっている。カメラはEOS60Da。鏡筒は思っていたとおり小さくて軽く、トラバース経緯台にベストマッチだった。EOS60Daを接続した場合、鏡筒の前後バランスがかなり後ろ側に寄ってしまったので、ドブテイルバーを後端ギリギリまで寄せて保持している。

ファインダーはレッドドットファインダーが付属していたが、私は太陽撮影時にはソーラーファインダー、夜間は3cm直角ファインダーを使うので、付属ファインダーは使わない。

また眼視用に90°天頂ミラーと10mm, 25mmのアイピース2本が付属していたので、とりあえず付けてみた。

SKYMAX90 付属天頂ミラー+アイピース
SKYMAX90 付属天頂ミラー+アイピース

この接眼部の端にはTネジが切ってあるので、Tリングを介してカメラを接続できる。

SKYMAX90 接眼部Tネジ
SKYMAX90 接眼部Tネジ
SKYMAX90 接眼部にEOS用Tリングを付けたところ
SKYMAX90 接眼部にEOS用Tリングを付けたところ

カメラの回転については、接眼部根元のネジを緩めると、接眼部全体が回転できるのでそれで調整できる。ただし上の画像で分かる通り、接眼部を回転させようとすると、アイピースの取り付け用ネジがピントノブに当たってしまい、回転角度に制約を受ける。そのため実際にはTリングの方で調整する方が良さそうだ(Tリングの小ネジを精密ドライバーで緩めて回転角度を調整する)。

SKYMAX90 前面
SKYMAX90 前面

前面はこんな感じ。やはりフードは欲しいところ。またいつもどおり段ボールで自作するしかなさそうだ。

そして気になっていたのが、接眼部を取り外した部分のネジ。接眼部をビクセンのフリップミラーに交換できれば、撮影と眼視を手軽に切り替えられると考えていた。

SKYMAX90 鏡筒後部ネジ
SKYMAX90 鏡筒後部ネジ

オスネジとなっている。外径をノギスで実測すると、45.4mmだった。WEBを検索すると、このネジからSCTネジに変換できるアダプターはあるようだ。しかしビクセンフリップミラーに接続するには、そこから2インチ接眼部に変換したい。そうやってアダプターを重ね付していると重量バランスが崩れるので、ドブテイルバーを交換して後部へ伸ばす必要がある。そんなことをやっていると金額もかさんでくるので、今はちょっと保留することにした。

さて、上の画像でも鏡筒後部の開口がかなり狭いことが分かる。これはAPS-Cでも周辺がケラレるのではないかと思い、EOS 60Daで薄雲を撮ってみた。

SKYMAX90とEOS60Daでの周辺減光
SKYMAX90とEOS60Daでの周辺減光(自動コントラスト)

Photoshopで自動コントラストを適用すると、やはり四隅の減光が目立った。天体撮影ではいつもコントラスト強調は行うので、使えるのは中央の正方形領域と思っていたほうが良さそうだ。

実写については、梅雨時で夜になかなか晴れないため、昼間に薄雲を通して太陽黒点を撮影した。これについては動画をYouTubeにアップロードしている。

トラバース経緯台は自動追尾ではあるが、昼間は太陽のみの1スターアライメントになるため、追尾精度はあまり良くない。そのため、1250mmの長焦点距離でピクセル等倍のクロップ撮影をしていると、黒点が徐々にズレていく。それでも1~2分ぐらいは実用的に追尾できるので、これで十分。

静止画では、APS-C(x1.6)で太陽がちょうど良い具合に収まる。

SKYMAX90 + APS-C(x1.6)・トリミング無し
SKYMAX90 + APS-C(x1.6)・トリミング無し ISO400, 1/2000sec.

現在は大きな黒点群が出ていないのが残念。

トリミングしてみた。

SKYMAX90 + APS-C(x1.6)・トリミングあり
SKYMAX90 + APS-C(x1.6)・トリミングあり ISO400, 1/2000sec.

それから、鏡筒のF値が13.9と大きいため、アストロソーラーフィルターの10万分の1では、減光が大きすぎるようだ。ISO400・1/2000sec.で撮影したが、ISOは100で1/4000sec.まで上げたい。となると、1/12500程度にしたいところだが、ちょうどよいフィルターが見当たらない。

今後、夜間に晴れたら月や二重星なども撮影していきたい。

あと、ピクセル等倍でクロップ動画撮影出来る現行一眼カメラは無いものか。EOS60Daは古すぎる。

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