昨夜、多可町への遠征を行った。メンバーは私とりんしゃんさんの2人。
21時半過ぎに現地に着くと、やや雲があるがおおむね快晴で、風もなく良好なコンディションであった。
先週は赤道儀用のプレートを忘れた上にすぐに曇ってしまったので、今回がSE2赤道儀とFLT98CFの組み合わせでの遠征初撮影となる。
機材は下記の通り(この写真は撤収前に撮影したので、鏡筒やカメラなどが凍り付いている)。
- 赤道儀:ケンコースカイエクスプローラー2
- 撮影鏡:ウィリアムオプティクス FLT98CF(D=98mm, f=618mm)
- レデューサー:ケンコークローズアップレンズAC2による簡易レデューサー
- カメラ:EOS Kiss X2
- ガイド鏡:ミニボーグ60ED + 1.5倍バローレンズ
- オートガイドシステム:LVI社 スマートガイダー
- 電源:SG-3000DX
光害レベルは、23時頃のSQM-L測定値(天頂)で20.8[等級/平方秒角]程度と、この場所としてはまずまず。日付が変わり、明け方前には21.2程度にまで改善された。
今回は大きなトラブルは無かったが、撮影していくうちに色々と細かな問題点が分かってきた。
まず、大きな誤算が電源である。12V電源を使うのは下記の3つ。
- SE2赤道儀(電流:?)
- 夜露よけヒータ2本(電流:1.1A)
- スマートガイダー(電流:0.2A)
であるが、容量20AhのSG-3000DXなら余裕だと思っていた。しかし実際は稼働4時間ぐらいで赤道儀の電源ランプが点滅し始めた(電源の電圧低下警告を示す)。そして稼働6時間で点滅速度が速くなり、停止寸前の状態となった。この時点で午前4時半だったので、キリも良いので撤収した。
どうやらSE2赤道儀がかなり電力を消費しているようだ。今回はギリギリだったが、余裕を持った運用のためにはもう一個SG-3000DXが必要だと思う。
次にスマートガイダーだが、やはりガイド星の導入がやりにくい。今回新たにフリップミラーの直角側に「暗視野照明付き十字線アイピース(笠井トレーディング:CH-SWA20mm)」を入れてみたが、十字線の交点に星を入れても、ガイドカメラに星が入らず、結局同焦点アイピースに付け替えて確認する必要があった。これについては、ガイドカメラ側に星が入っているときに、アイピース側で十字線からどの程度ずれているか、覚えておくしかなさそうだ。
また、撮影対象近くに2等星が無く、やむなく3等星をガイド星にすると、やはり精度が低下する。
それから、撮影鏡(FLT98CF)のピントが、撮影中にずれてしまう(これは自宅ベランダでの撮影時にも困っていた)。ドローチューブの固さ調節ボルトを固めにしてピントを合わせ、ドローチューブ固定ネジをしっかり締めても、撮影していくうちにずれてしまう。望遠鏡でなくカメラマウント側の問題だろうか?
このように色々課題が出てきたが、それでもなんとか撮影は出来た(ガイドがずれたりピントが甘かったりしているいが)。
下記画像は、今回撮影した画像のJPEG出力1コマについて、縮小とトリミング、ノイズ低減、レベル補正のみを行ったものである。RAWファイルからダーク減算やコンポジットなどを行う本格的処理は、これからぼちぼちやっていこうと思う。
- ISO800, 5分
- 3分の1に縮小・トリミング
- ISO800, 5分
- 2分の1に縮小・トリミング
- ISO800, 5分
- 2分の1に縮小・トリミング
右上のエッジオン銀河はNGC4217
- ISO1600, 5分
- 2分の1に縮小・トリミング
かなり淡く、なかなか写しにくい
- ISO800, 3分
- 2分の1に縮小・トリミング
今後は出来ればパソコンを持ち出してiAGでのオートガイドに切り替えたいが、SE2赤道儀がかなり電力を消費することが分かったので、更にパソコンを追加するのは難しそうだ。
コメント