- 【環境】2021/3/19 22:22 – 3/20 0:25 / 兵庫県明石市/気温11℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.5
- 【光学系】ミューロン180C + 純正レデューサー(1780mm F9.9)/ CometBPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
- 【ソフトウェア】<撮影>APT3.84/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・180sec x 36コマ/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop CC
- 2×2ソフトビニング・銀河周辺を640×800で切り出し
ミューロン180Cによる星雲星団撮影の試行として、前回はしし座の系外銀河M66を撮影・処理した。
今回は同じしし座の系外銀河NGC2903を撮影・処理したが、画像を見て分かる通り完全に露出不足となった。全体的にノイジーで、銀河外側の淡い腕がほとんど写っていない。ノイズ低減についてはPhotoshopプラグインのNik Collection – Dfine、およびDeNoise AIを多用したが、誤魔化しきれていない。外の淡い腕も光害に埋もれている。今回は雲の通過などで3分×36コマ(総露出時間108分)しか確保できなかったのも影響した。
やはりF10という暗い鏡筒で系外銀河外側の淡い部分まで写すのは無理がありそうだ。単純に考えて、普段使っているF5前後の鏡筒に比べて4倍の露出時間が必要になる。つまりこれまで2時間で済んでいたものは8時間かかることになり、視界の限られたバルコニー撮影では一晩どころか二晩でも無理。対光害フィルターを露光倍数の小さなLPS-P2などに変えるか、ノーフィルターという手段も考えられるが、それでは淡い部分は完全に光害に埋没してしまう。
現在は「趣味として継続できる程度の手軽さ」を優先して「カラーCMOSカメラによるワンショット撮影・一晩完結型」というスタイルで撮影しているが、それを続ける限りF10鏡筒での系外銀河は厳しい(おそらく淡い散光星雲も)。もし一対象に複数日かけてじっくりと露光時間を積み重ねるスタイルにするのであれば、どうせならモノクロカメラ+フィルターホイールの方式にしたいが、それはそれで機材の費用が格段に高額になり踏み切れない。
逆に言えば、前回のM66や今回のNGC2903の銀河中心付近程度の輝度があれば良好に写すことが出来ると考えられる。そうなるとやはりミューロン180Cの対象としては、小さいけど輝度の高い惑星状星雲や球状星団が適正ということになる。
そうなると、淡い系外銀河や小さい散光星雲を写すためのF5~F6程度の鏡筒(いわゆる「銀河砲」)が欲しくなってくる。現在のSE2赤道儀に搭載できそうな候補として具体的には、R200SS+エクステンダーPH、GS-200RC+レデューサー、VC200L +レデューサーぐらい。GS-200RCは調整が難しそうで、VC200Lは当たり外れが大きいらしいので、無難なのはR200SSか。
一昨年末頃にアイベルでR200SSの新品の特価品があったが、少し迷った上に見送っていた。当時は2020年の火星準大接近を控えていたため「惑星砲」を優先して考えており、EdgeHD800など惑星と星雲星団の両方に使える鏡筒も検討はしたが、結局開放式で温度順応が早く、ニュートンよりコンパクトで扱いやすいミューロン180Cを購入した。現在、改めて銀河砲の検討ができる余地が残っているということで、当時の判断は間違っていないと思う。
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