ASI482MCを購入して、これまで6.5mm超広角レンズや200mm望遠レンズなどに付けて動画を撮影してみたが、今回は100mm望遠レンズ(Canon EF100mm F2.8L マクロ IS USM)に付けてみた。この組み合わせでは写野の長辺側が実視野で6.4°になるので、標準的な5cm・7倍の双眼鏡や5cmファインダーに近い。
200mmレンズに付けたときは写野が狭く手動で天体を探すのは難しかったが、双眼鏡やファインダーと同程度ならば手動で振り回してもすぐに目標を見つけられるのではないかと思った。
私は、銀塩時代からデジカメ時代の初期頃には主にスカイメモRにカメラレンズで星野写真を撮影し、その合間に双眼鏡で星空散策や、低倍率経緯台(もちろん眼視)でメシエ天体巡りなどをしていた。これは多少雲が流れていて写真撮影がは無理なときでも、雲の合間から気軽に楽しめた。
今回こだわったのはその「双眼鏡の疑似体験」であるので、ライブ感を優先した。写野の移動やブレ、星の瞬き、人工衛星や航空機の通過なども含めてリアルに体験するには、最低でも8FPSはほしい。また今回はその一連の様子を録画するためライブスタックは行わなかったが、実際には8FPS程度による「星空散策」と、要所要所の天体に注目した「ライブスタック」を組み合わせて楽しむと思う。
機材は下の画像のように赤道儀化したAZ-GTiに載せた。カメラとレンズは軽いのてウェイトは付けていない。AZ-GTiの操作はスマホから行い、自動導入と手動調整を組み合わせた。
撮影した動画はDaVinci Resolveで編集し、Neat Videoによるノイズ低減を行ってからYouTubeにアップロードした。したがって、YouTubeで見る動画はノイズ低減後であり、実際にリアルタイムで見る映像はもっとノイズが載っている。
- SQM-L測定値=18.1、気温12℃
- カメラ:ASI482MC、レンズ:EF100mm F2.8L マクロ IS USM(絞り開放)
- ゲイン=400、露出時間 1/8[sec]、フレームレート=8FPS、解像度=1920×1080
- SharpCap 4.0.8282.0(キャプチャ)
- PIPP(SER→AVI)、AviUtl(画質調整)、DaVinci Resolve(Neat Videoによるノイズ低減など)
- AZ-GTi(赤道儀モード)に搭載し、自動導入および手動操作で移動
光害地なので淡い星雲は見えないが、実際に双眼鏡で見た状態よりは若干暗めの天体まで見えているのではないだろうか。双眼鏡の疑似体験+α程度でちょうど良い感じがする。これ以上を求めるなら対光害フィルターを付けた上でライブスタックとなる。また本格的な撮影では邪魔になるだけの人工衛星の通過もアクセントになっていて気にならない。雲が流れているときでもそれなりに面白いのではないかと思う。
(2021/11/3追記)偶然だが、ヒアデス星団と小惑星ケレスの接近も捉えていた(6:00付近)。
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