ASI482MCとMeike 6.5mm F2.0の組み合わせでは、最初の試行で散在流星(らしきもの)を捉える事ができた。
このとき、動画の中に流星が写っているかどうかの検出方法も考え、一応実用性があることを確かめた。手法としては簡単に言うと、
- まずSharpCapで録画したSERファイル(RAW8フォーマット)を、PIPPを用いて1コマごとのTIFF静止画に変換する。
- 次に、TIFF静止画ファイルを10分の区切り毎(つまり元のSERファイルのまとまり毎)に、StarStaXを用いて比較明合成する。
というものだが、上記1で生成するTIFF静止画を「サイズ半分」かつ「一コマ飛ばし」にした。「サイズ半分」は単にファイルサイズ低減の効果のみだが、「一コマ飛ばし」は、2で比較明合成したときに光跡がフレームレートの時間間隔で点線になるため、速度の速い流星と、速度の遅い航空機・人工衛星の区別をつけやすくなる効果もある。
さて今回も雲が多い天気ながら一応晴れた日があったので、もう一度散在流星狙いで一晩の撮影を実施した。
今回の処理では、上記1のTIFF静止画変換の際にファイルサイズを更に小さくするためモノクロ画像として出力するようにした。流星の判別には光跡途中での色の変化なども参考になるのでカラーのほうが良いことはあるが、モノクロではファイルサイズが3分の1になるので、ワークスペースの節約効果がかなり大きい。なお、ファイルの種類をTIFFではなくPNGにすることでもファイルサイズの低減が出来るが、PNGはPIPPでの書き出し時間がTIFFの数倍かかり効率が悪化したので使わなかった。
処理の結果、今回も一つだけ流星と思われる光跡が有った。
この流星について、元の動画から切り出してDaVinci Resolveで編集したものをYouTubeにアップロードした(流星は、0:35 ぐらいから左上)。
- 明石市・光害地(SQM-L測定値18程度)・月明なし・雲の通過多し。
- カメラ:ASI482MC、レンズ:MEIKE 6.5mm F2.0(開放)
- ゲイン=400、露出時間 1/15[sec]、フレームレート=15FPS、解像度=1920×1080
- SharpCap 4.0.8282(キャプチャ)
- PIPP(SER→AVI)、AviUtl(画質調整)、DaVinci Resolve(Neat Videoによるノイズ低減など)
今回も画面端の方なのが残念だが、検出処理の試行ができる流星が一つでも写ってくれて良かった。できれば画面真ん中に明るい流星がドーンと流れてほしいが、これは確率の問題なので、地道に撮影機会を増やすしか無い。
この「ASI482MC」だが、暗所に強い動画向けフルHDカメラとしての可能性をもう少し追求したい。今は光害地の自宅で、F2.0と(流星向けにしては)暗めの安価なレンズと組み合わせているが、このレンズを例えばF0.95の「フォクトレンダー NOKTON 10.5mm」に変えて、無光害地へ遠征して撮ったらどの程度写るのか興味がある。現在の状態でも5等星までは写るので、2段以上明るいレンズならもっと写るのではないか。
ところで、動画編集に使っている無料版の「DaVinci Resolve」だが、無料にしてはかなり機能が充実している。今回、流星が流れた直後に、流星の拡大&スロー再生をワイプで出したが、この機能も無料版に入っている。現在、入門書を読みながら様々な機能をひとつひとつ試しているが、全てを把握するのは無理そう。天体の動画については「ノイズ低減」がかなり重要になるが、これについては有料の「Neat Video」プラグインを購入している。その「土台」となる編集ソフトとして無料版のDaVinci Resolveは良い選択ではないかと思う。
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