【機材】ケンコー SE120 & ポルタ経緯台

  • 2007年12月購入
ケンコー SE120 & ポルタ経緯台
ケンコー SE120 & ポルタ経緯台

2007年の7月にビクセンED100Sfとポルタ経緯台を購入して久しぶりに星見を復活させたが、それからしばらくの間は遠征のたびにED100Sfをアルミケースに入れて、自宅(マンション)から少し離れた駐車場の車まで運んでいた(ポルタ経緯台はもう一台購入して車に積んだままにしていた)。しかし、ED100Sfの長いアルミケースを運んだり、車に積み込んだりするのが面倒に感じていた。

そこで、気軽に車に積みっぱなしにできる眼視用鏡筒として、ケンコーSE120を購入した。この鏡筒は12cm・F5のアクロマートであり、ほぼ低倍率の眼視用である。遠征に出かけるのは星雲・星団が目的であるので高倍率は必要無い、と割り切った。そう考えるとSE120はED100Sfよりも口径が大きい分有利である。

価格も購入当時3万円弱と12cm屈折としてはかなり安く、道具として使い倒せる気軽さも良い。国際光器のBAG202に鏡筒と乾燥剤を詰めて、先に購入した2台目のポルタ経緯台と共に車のトランクへ入れたままにしている。鏡筒が短いので、セダンの小さめのトランクでも無理なく出し入れできるし、ポルタへ載せるのも楽である。

90°正立プリズムと、90°直角正立ファインダー
90°正立プリズムと、90°直角正立ファインダー

この鏡筒には5cmファインダーと2インチミラーが付属してきたが、それらは用いず、笠井トレーディングの2インチ90°正立プリズムと、90°直角正立ファインダーを用いて完全に正立化している。双眼鏡の感覚に近い操作性はED100Sfの時と同じだが、鏡筒長が短い分、取り回しもしやすくなった。ポルタ経緯台との相性はかなり良いと思う。

なお、直角ファインダーは狙いの星をファインダー内に導入しにくいのが欠点である。特に光害が少なく星が多く見える所では、ファインダーに入っている星が、肉眼で見ているどの星なのかさっぱり分からない。特に経緯台が苦手とする天頂付近はファインダー内への導入がとても難しい。そこで、補助ファインダーとして笠井トレーディングの等倍ファインダー「QUIKFINDER」を追加した。これによって基準となる星を正立ファインダーへ導入するのが格段に楽になった。低倍率なら、この等倍ファインダーだけでも直接望遠鏡の視野へ導入できる。

さて、この鏡筒に組み合わせるアイピースとしては、ハイペリオンズーム(8mm~24mm/68°~50°)を用いることが最も多い。状況に応じて適切な倍率に簡単に調整できるので、M天体などを気軽に次々導入していくのには丁度良い。ただし、低倍率側では見掛け視界が狭く窮屈な感じがする。公称では24mmで50°とのことだが、20mmより低倍率側で急に視界が狭くなる感じがする。また、ED100Sfの時には視野周辺部の星像の歪みにはあまり気がつかなかったのだが、SE120では結構気になる。これは短焦点であるためだろうか?。いずれにせよこのハイペリオンズームの20mm~24mmはあまり積極的には使いたくない領域である。

したがって、大型の星雲・星団をじっくり見るときには2インチアイピースであるEWO30mmに付け替えている。M42などの大きな星雲はハイペリオンズームからEWO30mmに付け替えると、視界が開けるというか目から鱗が落ちる、という感じである。ただし、球状星団や系外銀河は倍率を高めにするので、ハイペリオンズームでも視界は広く、見やすくなるので問題ない。

また、正立プリズムのバレル先端には光害カットフィルター「LPS-P2」を付けている。主な遠征先である多可町や砥峰高原でも南側は光害の影響があり、フィルターを付けた方が見やすい場合がある。

このように、鏡筒本体&経緯台よりもオプション類の方が高価な(しかも、かなり笠井色が強い)組み合わせとなってしまった。なので、正立プリズム、LPS-P2とハイペリオンズーム・EWOは車に積んだままにせず、ちゃんと家まで持って帰っている。

最後に、月や惑星については、この鏡筒で見たことはほとんど無いのでなんとも言えないが、アイピース6mm(100倍)でも結構色収差が分かるように思う。しかし、子供に月面のクレーターや土星の輪、欠けた金星などを見せて教える目的程度なら全く問題ない。とにかく気軽に使える組み合わせである。

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