先月、スカイクオリティーメーター(SQM-L)を購入して以来、快晴で月が無いときには自宅ベランダで測定を行い、光害状況をチェックしている。ただし“月が無いときは天気が悪い”の法則により、測定出来た日はかなり少ない。
これまでの経験上、自宅マンション(加古川市)のベランダからは、秋~冬の透明度の良い日でおよそ3.5等ぐらいまで見える。これはベランダから南東方向(つまり神戸・大阪方面)を見た場合なので、天頂付近では4等も見えるかもしれない。ただしこれは0時を過ぎて近所の大型スーパーやパチンコ店の照明が消えてからになる。
普段は快晴でも2等程度までしか見えない。駅からの帰り道に空を見上げても、カシオペア座や北斗七星がやっと分かる程度だ。それに春~夏はもっとひどく、1等星しか見えない日が多い。今年も昨年も、春~夏はスピカとアンタレスと木星しか見えない日がかなりあった。木星の見頃がだんだん秋へずれているので、来年以降は月と土星ぐらいしか見るものがないのではないか。
表1. 自宅の光害状況 (測定値は、3回測定して平均をとったもの)
場所 |
日付 |
時間 |
方向・高度 |
SQM測定値 |
備考 |
自宅ベランダ |
2009/10/27 |
0:32 |
南東・45° |
18.03 |
3等星がはっきり見える |
↑ |
2009/10/28 |
0:53 |
↑ |
17.65 |
3等星は見づらい |
↑ |
2009/11/8 |
22:05 |
↑ |
17.07 |
3等星は見えない |
↑ |
2009/11/14 |
23:17 |
↑ |
17.67 |
3等星・オリオン小三ツ星が見える |
↑ |
2009/11/15 |
0:30 |
↑ |
17.78 |
↑ |
↑ |
↑ |
2:00 |
↑ |
17.93 |
↑ |
↑ |
↑ |
4:00 |
↑ |
17.75 |
↑ |
↑ |
2009/11/19 |
21:37 |
↑ |
17.44 |
3等星・オリオン小三ツ星が見える |
↑ |
↑ |
22:49 |
↑ |
17.59 |
↑ |
↑ |
↑ |
23:40 |
↑ |
17.80 |
↑ |
↑ |
2009/11/20 |
0:44 |
↑ |
17.96 |
3.5等星が見える |
さて、これまでの測定結果(表1)によると、秋の自宅の光害は、おおむね17~18[等級/平方秒]のようだ。特に状態の良い日の0時過ぎで何とか18等級台に乗り、2等星しか見えない状態では17等級を割りそうだ。この分では春頃には16等級になってしまうと思う。
また、同じ日でも0時頃を過ぎると0.4~0,5等級分ぐらいは良くなっている。
砥峰高原ではベストと言えない状況でも21等級を超えているので、自宅とはおよそ3等級以上の差が有ることになる。手間を掛け、寒さを我慢してでも、遠征する価値があるというものだ。
なお、これからは観望時や写真撮影時には出来るだけSQMによる測定をしておき、フォトアルバムやブログ掲載時には明記しておきたいと思う。
- 【環境】2009/11/14 23:59 – /兵庫県加古川市/気温不明/光害レベル:SQM-L測定値=17.8
- 【光学系】William Optics FLT 98 Triplet APO(D=98mm f=618mm)+
- ケンコーACクローズアップレンズNo.2/LPS-P2フィルター使用
- 【カメラ】EOS Kiss X2(無改造)
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀
- 【ソフトウェア】<オートガイド>iAG(ASCOMモード) <撮影> – <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】ISO400/300sec x 9, 60sec.x4, 30sec x4
- 【処理法】:ステライメージ6,Photoshop Elements5による処理
- トリミングあり
(↑)これは11月14日夜(SQM測定値=17.78)に自宅で撮影したM42である。このような光害地では、無改造デジカメでまともに写せる星雲星団は、かなり明るいものに限定されてくる。感覚的には、眼視でそこそこ見える対象でないとまともな写りにならない(M42,M45,M35,M27,M2あたり)。そういうわけで、異なる鏡筒で撮影したM42ばかりがフォトアルバムに並んでしまっている。
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