これまで遠征でのオートガイドにはPC無しで済む「LVIスマートガイダー」を用いていた。しかし、オートガイド以外にも、リモートライブビューでのピント合わせや撮影画像の確認などのために、やはりPCが有った方が良いと思うようになってきた。バリアングル液晶でないデジタルカメラと屈折望遠鏡の組み合わせでは、撮影対象の高度が高くなってくると、カメラ本体での画像確認や操作がかなり苦しくなってくる。
それに「iAG」によるオートガイドは自宅だけでなく遠征時にもやってみたい。
しかし、現在自宅にあるノートPC(DELL XPS M1330)は、外に持ち出すにはサイズが大きすぎるし重い。そこで、遠征用として軽量なモバイルノートPCを購入した。
機種については、当初AcerのAS1410かAO752あたりを考えていたが、先日近所のジョーシンに行ったところ、EC1400-41Rが在庫処分で出ていたので、それを購入した。これはAS1410とほぼ同じ物のようで、Celeron SU2300搭載の、いわゆる「CULVノート」である。
問題は、OSがWindows7(Home premium)の64bit版であること。あまり一般的でない天文関係のソフト各種が動くのだろうか。しかし、最近はノートPCも64bitのWindows搭載機が増えているし、各ソフトも今後64bit対応は避けて通れないはず、ということで動作検証を兼ねて使っていくことにした。
まず、主目的の「iAG」によるオートガイドをベランダで検証してみた。
iAG公式ページにあるVer.0.5.2で試してみたのだが、これが起動段階で不正終了してしまう。出端を挫かれたが、開発者に連絡して対応をお願いした。
その結果、どうやらガイド用カメラに使っているNexImageのドライバが問題だったらしい。実はNexImageのWin7用64bitドライバは存在せず、PhilipsのSPC900NC/00のドライバを流用している。その段階で動作保証はないのだが、一応セレストロンの公式サイトで紹介されている方法なので、何とかなると思っていた。
また、今のところiAGは64bitOS上でも32bitで動作させる必要があるらしく、そのあたりの変更とNexImageドライバの問題回避の対応を行ったβ版を作ってもらい、それを用いたところ起動が成功した。その後、ガイド機能や露出制御機能には問題なく、正常動作することが確認出来た。
ガイドについてはUSB-IOのリレーボックスを用いた方法、およびASCOM(EQMOD ASCOM Driver)による方法の両方ともOK。EOS Utilityとの併用も問題ない。ガイドカメラをQcam S7500に変えてみたが、こちらも正常に動作した(NexImageに比べ、S7500はノイズが多い)。
ついでに「PHD Guiding(v1.11)」の動作確認も行った。
これはカメラがQcam S7500の場合しか検証していないが、結果はOKだった(パラメータを追い込んでないので精度が悪いが、動作は問題なし)。
【#5/3追記】NexImage(SPC900NC/00ドライバ)とPHD Guidingの組み合わせもOKだった。
EC1400-41Rの使用感だが、液晶が光沢なので写り込みが気になり見にくい。これは反射防止フィルムを貼ることにして、今のところ他に気になる所は無い。バッテリーはフル充電から1時間30分程度ガイドテストをして70%程度まで減った。4~5時間程度は持つのではないだろうか。
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