(注)太陽“眼視用”の減光フィルターを装着していない望遠鏡や双眼鏡で太陽を見ることは、失明の危険があるので絶対に控えて下さい。また、NDフィルター等の“撮影用”フィルターでは、眼視には十分な減光となりません。撮影時は光学ファインダーを覗かず、ライブビューを用いて下さい。
前回の金環食向け機材検討では、カメラの光学ファインダーを使わずに太陽を写野内に導入することの難しさが課題として残った。
そこで今回、バーダープラネタリウムの等倍ファインダー「スカイサーファーIII」(国際光器扱い)を購入して取り付けてみた。これを選んだのは、安価で軽量、筒先が円筒状になっていてアストロソーラーフィルムを取り付けやすいことが理由である。
↑私のミニボーグ60EDの構成に取り付けるとこのようになる。
↑カメラ付近の接続の詳細。New KDS経緯台には、W台座WD-1の底面カメラネジで接続している。
なお、この構成は対物側から順に下記の通り
・60EDレンズの対物セル部分
・M57→M57ADII (7458) (*噛んでしまって外れない・・・)
・M57->M57AD (7457)
・M57 ヘリコイドLII (7860) *リバース
・M57/M60延長筒M (7603) *リバース
・60EDレンズの後側部分
・M57->M55AD (7406)
・ミニボーグW台座WD-1 (7513) + アリミゾ式ファインダー台座n (7755)
・ミニミニドローチューブ (7205)
・1.4X テレコンバータDG (7214)
・カメラマウントホルダーM (7000)
・カメラマウント EOS用 (5005)
かなり複雑だが、重量バランスを考えて出来るだけヘリコイドや延長筒類を前方(対物側)へ寄せたかったのと、長時間露光時向けに鏡筒バンド(7060)とアリガタプレートを付けるスペースの確保をしたかったのでこうなった。また60EDレンズセルに付けたM57→M57ADII (7458)は、硬く噛んでしまって外れなくなっている。レンズセルにあまり強い力をかけるのは避けたいので、その付近は辻褄合わせの構成になっている(そのため、あまり参考にならないです)。
これで、ミニミニドローチューブよりカメラ側でテレコンバーター(7214)とレデューサー(7885)を取り替えても無限遠にピントが合うので、組み替えをしなくて済む(もちろん直焦点でも)。なお、レデューサー(7885)使用時にはカメラマウントホルダーは不要となる。
それから、アリミゾ式ファインダー台座n(7755)は、笠井の90°正立ファインダーや今回のスカイサーファーIIIを付けるにはちょっとアリミゾ幅が狭いので、やすりで削って幅を広げている。おそらくビクセンやBORG純正のファインダーなら問題無いのだろう。
さて、スカイサーファーIIIにもアストロソーラーフィルムを付けてを使ってみた結果だが、経緯台で太陽を迅速に導入することが出来た。写真↑では分かりにくいが、LEDの赤色ドット表示も、輝度調整を最大にすると晴天下で確認することが出来た。このファインダーなら万が一フィルターが外れても危険は少ない。これでカメラの光学ファインダーを封印することが出来る。
これ↑が今回撮影した画像。上記の構成でアストロソーラーフィルム(10万倍)使用、Kiss X2, ISO100, 1/750である。RAW画像をPhotoshopで現像、シャープ処理などをして、ピクセル等倍で切り出した。
残る問題は、ピント合わせの難しさである。カメラ背面液晶の晴天下での見難さについては、パソコンによるリモートライブビューで何とかなりそうだが、経緯台ではピント合わせ中に太陽が移動していってしまうし、New KDSの剛性ではヘリコイドを回すと像がブレるので、かなり時間がかかってしまう。どうせなら黒点までしっかり写るようにピントは確実に合わせたいが、それにはしっかりした赤道儀を用いた方が良い。
これについては当日の移動手段や観測場所次第なので、出来るだけ赤道儀が使えるように検討したい。
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