創造の柱(M16中心部)・光害地・月明あり

創造の柱(M16中心部)
創造の柱(M16中心部)・光害地・月明あり/ M16「わし星雲」:へび座の散光星雲(光度6.0等、視直径35’)
  • 【環境】2021/5/23 0:43 – 3:15 / 兵庫県明石市/気温18℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.4(月齢11の月明あり)
  • 【光学系】ミューロン180C + 純正レデューサー(1780mm F9.9)/ CometBPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.84/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・180sec x 36コマ/PHD2によるオートガイド
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop CC
    • 2×2ソフトビニング・1000×1000で切り出し

へび座の散光星雲M16(通称:わし星雲)の中心部に位置する「創造の柱」。1995年のハッブル宇宙望遠鏡の画像で有名になった。

暗黒星雲が柱のようにそびえ立つ姿は荘厳かつ不気味でもありインパクトが大きく、このような画像を自分でも撮影してみたいと思う天体写真ファンは多かったと思う。しかし当時はまだ銀塩フィルム時代であり、アマチュアの持つ廉価な機材での撮影は難しかった。私もデジタルカメラ時代になってからM16を撮影したが、創造の柱は存在が分かる程度にしか写せなかった。

その後、冷却CMOSカメラ(ASI294MC Pro)を導入して、2019年に自宅から撮影したものは、創造の柱の詳細がもう少しわかりやすくなった。

これも使用鏡筒が10cmクラスで焦点距離が500mm程度しかなく、ピクセル等倍でなんとか柱の構造が分かる程度であった。

さて、今回は昨年導入した「ミューロン180C」を用いた。これは元々惑星用に導入したものだが、焦点距離が長いため、比較的明るめで小さな天体の撮影にも使っている。

焦点距離が約1800mmあるため、創造の柱をかなり大きく写すことが出来た。ピクセル等倍ならとても迫力のある画像になったと思うが、ノイズが多く荒れ気味でボヤケた感じになってしまったので、残念ではあるが2×2ソフトビニングして半分のサイズにした。M16は高度が低く自宅から撮影できる時間が短いために、スタック枚数を稼げないのでやむを得ない。

サイズを縮小した分、創造の柱の周囲の暗黒星雲が入り組んだ様子も分かるようになった。上部から垂れ下がる逆三角形、左上から突き出たスティック状のもの、点在するグロビュールなどが興味深い。今後、明るめの星雲の中心部を拡大して狙うのも面白そうである。

今回の撮影は光害地であり、更に月齢11という明るめの月もあった。また撮影対象がほぼHαの輝線星雲ということで、本来はQuad BPフィルターを用いるべきだが、鏡筒が約F10と暗いため、露光倍数が小さめのComet BPを用いた。そのためカブリが心配だったが、撮影した領域が明るめということもあって、光害と月明にも負けず良く写ってくれた。

なお、画像右上部の星が密集している部分は散開星団。そもそもM16という番号はこの散開星団の方に付けられており、散光星雲の方はIC4703の番号が付けられているそうだ(Wikiより)。

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