昨日の部分月食(最大食分98%なのでほぼ皆既月食)は月出帯食なので高度が低く、住宅密集地の自宅のバルコニーからは見ることが出来ない。そのため遠征する必要があったが、どこに行こうかかなり迷った。最初は明石海峡大橋と一緒に狙える場所を考えたが、月が昇る東北東に大橋が位置しており、かつ大橋からある程度距離を取れる場所は、淡路島北部の限られたエリアになる。さらに約3時間の長丁場になるため、トイレも近くにあってほしい。そのようなポイントをロケハンして探すのも大変なので、大橋を構図に入れるのは諦め、とにかく東の視界が開けていてトイレがすぐ近くにあるところとして、神戸淡路鳴門自動車道の淡路SA(下り)のテラスに決めた。
機材については最初AZ-GTiとBORG71FLを考えたが、駐車場から離れた場所で運搬が大変なので、カメラ三脚のみの固定撮影とした。カメラはEOS60Da+広角レンズ(タムロンA16)による連続撮影と、Pentax KP+200mm望遠(Askar ACL200)のアップ撮影とした。
夕方は地平線(水平線)近くに雲が多く心配したが、17時過ぎに欠けた状態の月が姿を現した。
EOS60Da + タムロンA16の方は、インターバルタイマーを1分間隔にセットし、±3EVのブラケット撮影でそのまま最後まで放置。
テラスには同じ目的の人が結構多く居られて、三脚が並んでいた。またSAの利用客の方々もスマホ片手に出てこられて観望していた(ただ風が吹き抜けるところなので寒く、長居する人はいなかった)。
この場所からは、月と明石海峡大橋では方角が異なるので、同じ構図内で撮影できない。
雲の通過もなく月は順調に欠けていき、18:03頃に最大食分となった。
「ほぼ皆既月食」とはいえ、わずかでも隠れない部分があるとそこが明るく輝き、かなり目立つ。
M45・プレアデス星団(すばる)が月の北6°弱に位置しており、今回の機材で両者がぎりぎり入るので、多段階露出撮影で狙ってみた。このとき、Pentax ならではの機能である「アストロトレーサー」を用い、星が流れないようにした。
また今回は部分月食ということで、影に部分と明るい部分の輝度差が大きく、1コマ撮りではどちらかが見えなくなってしまう。そこで多段階露出も行うことにした。まず、1コマ撮りのもの。
影の部分に露出を合わせた1コマ撮りでは明るい部分が飽和している。次に多段階露光してHDR処理し、彩度を上げたもの。
赤い影の部分と明るい部分の境界が青っぽくなっているがこれは「ターコイズフリンジ」というらしい。
さて、本影食は19:47に終了。
まだ半影食が残っており、月の上側がやや暗く見える状態だが、かなり冷え込んできたので20時前に撤収した。夜に淡路島側に来ることはあまりないので、とりあえず記念に明石海峡大橋の画像も一枚撮影。
次回は来年(2022年)、11月8日の夜になる。このときは皆既月食なので出来れば赤道儀と望遠鏡を用いたい。
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