先日から惑星撮影用機材の組み合わせについて試行錯誤していて、前回は合成F値が狙いの30より若干暗めの32になっていた。
今回は眼視側のBORG直進ヘリコイドSをM42ヘリコイドTに変えて光路長を短縮し、カメラ側もそれに伴ってM42P0.75延長筒を減らして、パワーメイト2.5xと鏡筒の距離を短縮した。これで主鏡の繰り出しが減って主焦点距離が短くなり、合成F値が明るくなるはず。
ただし、接続間違いが一箇所あったのに後で気がついた。カメラ(ASI183MC Pro)とEOS-EFマウントアダプターの間に11mmのM42延長筒が入ってしまっていた。これはカメラの新規購入時に取り付けてあったものだが、これを外してマウントアダプターを付けないと、EOSのフランジバックと合致しない。これは後日、ADCとTリングの間にでも移す予定(光路長は変わらない)。
【訂正】11mmの延長筒はマウントアダプターをつけるために必要。接続間違いは、マウントアダプターに5mmの延長筒をつけていたこと。これはASI290などのフランジバック31.5mmの機種に必要なもので、フランジバック26.5mmのASI183には不要であった(KYOEIさんのこちらの説明参照)。昨年294MC Proに取り付けた時はちゃんと外して付けていたが、今回は2回めなので説明を読まず間違えたようだ。これを外してビクセンEOS用TリングとADCの間に移動させた。
この構成で金星を撮影した結果が下の画像。
- 【環境】2020/3/20 19:01:09(撮影スタート)/兵庫県明石市/気温 未測定/光害レベル:SQM-L測定値=未測定
- 【光学系】ミューロン180C / Powermate 2.5x / ZWO ADC / IR・UVカットフィルター
- 【カメラ】ASI183MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ノータッチ恒星時追尾
- 【ソフトウェア】<撮影>Sharp Cap Pro 3.2 <ガイド>なし
- 【撮影法】センサー温度0℃/ゲイン:150/ROI:1600×1200
- 【露出】撮影時間:60s/シャッタースピード:4ms/フレーム数:3838
- 【処理法】
- スタック:AutoStakkert!3 / フレーム数25%使用
- ウェーブレット処理:RegStax6
- その後の調整:ステライメージ8、Phtoshop CC
- ピクセル等倍で切り出し
今回の金星の画像上での直径は約240ピクセルであった。これから前回、前々回と同様にして合成Fを計算すると下記のとおりとなった。
ほぼ狙い通りの値となった。
今回の金星の視直径(22.4″)は、今年秋に最接近する火星(22.6″)とほぼ同じ。衝の木星は約48″なのでおおよそ2倍程度になり画像では500ピクセル程度になるはず。土星はもう少し拡大率を下げて明るさを稼ぐ必要があるかもしれない(しかし2倍のパワーメイトは2インチなので高い)。
とりあえずこれで惑星撮影シーズンを開始したい。
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