固定連続撮影の処理

星ナビの8月号(7/5発売号)で「デジカメで星景写真入門」の特集が組まれており、様々な撮影法や処理法が紹介されていた。私も基本的なところは知っているつもりだったが、今回のような特集としてまとめられたものを見ると、まだやったことのない方法も多くあることが分かった。そこで、梅雨時で星が見られない期間のモチベーション維持も兼ねて、一つ試してみる事にした。

これまでやったことのない処理法として、「固定の短時間露出で連続撮影した複数コマを、星の位置を合わせて加算する」というものがあった。固定の短時間露出の連続撮影は、主に流星撮影や動画作成のために行っていることがほとんどであり、静止画として合成するのは比較明で星の軌跡を描かせるぐらいであった。これは地上物を固定して星を流す方法である。

今回の記事では逆に星を固定して地上物を流す方法が紹介されており、「赤道儀を用いて追尾撮影した写真とさほど変わらない印象」とのことだった。

早速、過去に撮影した地上風景入りの連続撮影サンプルを用意し、ステライメージ6で処理してみた。

撮影データは下記の通り

  • EOS Kiss X2
  • タムロンA16 17mm F3.5
  • ISO800, 30sec
  • 25コマ連続撮影
一コマのみ・合成無し
一コマのみ・合成無し

これは一コマのみ・合成無しの画像である。ダーク減算はしているが、ノイズが目立つ


25コマを星の位置基準で加算平均
25コマを星の位置基準で加算平均

これが25コマを星の位置基準で加算平均したものである。確かにノイズは減るが、周辺部に行くにしたがって星が線状に伸びてしまう。星ナビの記事では、端の星が伸びるのは広角レンズのディストーションが原因であるとの記述があった。私の試行では星ナビの事例(8秒)よりも露出時間と合成枚数が多いため、更に伸びが目立ってしまったのだと思う。

また、星が線で写っていることもコンポジット処理をやりにくくさせている(自動では上手く行かず、25枚の基準星を手動で設定した)。


以上のことから、この手法を用いるには17mmでも30秒露出は長すぎるので、もっと高感度で10秒程度の露出にした方が良いということが分かる。しかし、後処理の面倒さを考えると、はじめからポータブル赤道儀に載せた方が楽だ。これは、赤道儀を持って行けない場合などの簡便法として用いるにとどめるのが良さそうだ。

比較明で合成
比較明で合成

これは上記のサンプルを比較明で合成したもの。比較明合成は星が多く派手な印象になり面白く思うのだが、星ナビの記事にもあるとおり、自然な感じを狙う星景の場合には長時間一枚撮りの方が良い場合もある(趣味でやっている以上、最終的には好みの問題だ)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました