2020/6/20の夜(6/21の未明)、火星・木星・土星の拡大撮影を行った。
惑星の拡大撮影を行うのは、約2年前の火星大接近(終盤)以来となる。木星は4年ぶり、土星は5年ぶりと、かなりのブランクがある。5年前に転居してからしばらく天文活動をしていない期間があり、その間は火星大接近撮影とたまの遠征による星野撮影は行っていたものの、惑星撮影までは手が回らずにいた。
前回(2018)の火星大接近は、火星の砂嵐の発生で模様があまり見えない事態となってしまった。今年は前回比93%の視直径となる準大接近であり、この次に火星が同じ程度まで接近するのは13年後の2033年らしい。今年を逃すと、次回は眼視観測や撮影ができる環境にいるかどうかもわからない。
というわけで、今年初めに思い切って惑星向けにミューロン180Cを購入して待ち構えていた。木星・土星のシーズンはとっくに始まっているが、我が家のバルコニーは南西向きで、いまだに明け方まで待たないと見えてこない(逆に、衝を過ぎてからシーズン終盤までかなり粘ることができるのは、以前住んでいた加古川のマンションの南東向きベランダとは対照的)。
そういうわけでやっと撮影の機会が巡ってきた。機材は下記の記事の通り。
まず、最初に昇ってきた木星(今回から、北を上にしている)。
現在いて座の中で、南中しても高度が低い。この日は6月にしては肌寒く風も結構ある。かといって冬のように透明度が良いわけでもない。
撮像はSharpCapだが、モニター画面では、結構ユラユラしてピントが合わせにくい。スタックした画像もピクセル等倍ではぼんやりしていて、処理しても等倍では見辛かったので、ステライメージで2×2ソフトウェアビニングしてマルチバンドシャープ処理した。183MCのセンサーピッチ2.4μmに対して拡大率が高すぎたかもしれない。機材の再構成について思案中。
処理については、ステライメージのマルチバンドシャープ処理の後、PhotoshopでプラグインのDenoise AIを用いて精細度を上げている。これも度を越すと画像が塗り絵的になるのでさじ加減が難しい。
眼視(8mmアイピース)では全体的に茶色っぽく見えたので、思ったよりも透明度が悪かったかもしれない。撮影に気を取られ、各縞の見え具合などはあまり記憶せず。
次は木星のすぐ東にいる土星。
これもピクセル等倍ではボケボケで、2×2ソフトビニングした。そうすると少し小さめの画像となり物足りない。
眼視では、やはり少し茶色っぽい。カッシーニの隙間は見える。
そして薄明開始頃になってやっと火星の撮影ができた。
これも2×2ソフトビニング。まだ視直径10″ 程度と小さいが、南極冠がはっきりしている。
眼視(8mmアイピース)では、南極冠がはっきりと目立って見え、南半球に薄暗い模様がある様子が伺えた。
なお、下の画像はピクセル等倍で処理したもの。やはりボケ気味であまり良くない。
火星・木星・土星の主要惑星が近くに集まるのはにぎやかであり、それぞれが最接近するイベントなどもあって見ごたえがあるが、撮影と処理は忙しくなる。もう少し離れてくれたほうがありがたい。
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