ミューロン180Cによる光害地のM27(あれい星雲)

惑星状星雲 M27(あれい星雲)
M27 あれい星雲(こぎつね座の惑星状星雲・光度8.1等・視直径15.2’)
  • 【環境】2021/9/15 22:00 – 9/16 0:35/兵庫県明石市/気温26℃/光害レベル:SQM-L測定値=17.9(月齢8.5の月明有り)
  • 【光学系】ミューロン180C + 純正レデューサー(1780mm F9.9)/ CometBPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.88/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・120sec x 62コマ(合計124分)/PHD2によるオートガイド
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 75%に縮小・1000×1000で切り出し

最近は部分月食レナード彗星おうし座北流星群しし座流星群などの天体イベントが続き、撮影済みのDeepSky天体の処理が追いついていない。今回やっと9月15日夜に自宅(光害地)でミューロン180Cを用いて撮影した、こぎつね座の惑星状星雲M27(あれい星雲)の画像を処理した。

あれい星雲は惑星状星雲としては視直径が大きいので短い焦点距離でもそれなりに撮影できるが、今回は自分が所有している鏡筒のうち最大の焦点距離であるミューロン180Cで大きく写せば迫力が出るのではないかと思った。ただしピクセル等倍処理ではアラが目立ったので、75%に縮小している。

結果としては、以前10cm級アポ(FLT98CF)で撮影したものに比べて、星雲内部の雲のようにモクモクとした構造がよく分かるようになった。

FLT98CFによる撮影も焦点距離約500mmにしては頑張っている方かと思うが、やはり口径1.8倍、焦点距離約3.6倍の差は大きい。


ところで、M27(あれい星雲)の魅力は、個人的は宇宙に浮かぶ巨大なシャボン玉のような「透明感」だと思っているのだが、それを出すのはとても難しく思っており、M27を処理するたびにいつも悩んでいる。透明な感じを出そうとすれば控えめの処理になって星雲自体の構造がよく分からなくなるし、今回のように構造を強調するとベタ塗りの塗り絵のようになって透明感が失われてしまう。なかなか奥が深くて難しい。

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