兵庫県立 人と自然の博物館

天文とは「地学つながり」ということで、鉱物関連の展示をしている施設の訪問をゆっくりと続けている。今回は兵庫県三田市にある「兵庫県立 人と自然の博物館」。通称「ひとはく」。

自宅からは高速道路で1時間以内で行ける近場なのだが、これまで訪問したことがなかった。その理由は、「ひとはく」は人と自然の共生をテーマにした総合博物館なので、これまで訪問した「玄武洞ミュージアム」や「生野鉱物館」のように特に鉱物に特化した展示内容ではないため。ただ、地学全般の展示はあるので、一度は訪問しておこうと思い立った。

場所は神戸電鉄フラワータウン駅から歩いてすぐだが、入り口はちょっと分かりにくい。

兵庫県立 人と自然の博物館 入り口

入口の手前が下り階段になっているので、車いすやベビーカーの人は別の専用入り口の方へ回る必要がある。

目当ての鉱物関連の展示は、狭めの部屋1室分と、その外側に岩石の展示。

「ひょうごの岩石と鉱物」標本展示室

「ひょうごの岩石と鉱物」標本展示室
「ひょうごの岩石と鉱物」標本展示室外側の岩石関連展示

展示は鉱石が中心で宝石は少なめ。これは生野鉱物館と似た傾向で、展示も質素で学術的な感じ(一方、玄武洞ミュージアムには宝石類も多くあり、展示方法も一般向けに工夫されていて華やかな感じ)。

展示されていた標本のいくつかを下記にピックアップ。

↑「鮭の切身」に見える。蛋白石とはオパールのことらしい。

その他はまとめて下の画像ギャラリーを参照。


鉱物の主展示室以外にも、別エリアでイベント展示やテーマ展示がいくつかあった。

元素の周期表と合わせての展示
元素の周期表と合わせての展示

上の画像は、元素の周期表と合わせての展示。

水兵リーベ・・・、と周期表を覚えた経験のある人なら興味をひかれるかも。余談だが、元素の性質を考えるならば、周期表は(典型元素部分は)縦向きに覚えるべきと思っていたので、私は受験生時代には、2行目まで(LiBeBCNOFNe)を横向きに覚え、その2行目を先頭として、その下を縦向きに覚えた。

展示のプレートには化学式が書かれている。電気石は非常に複雑。

「電気石」とは「トルマリン」のこと。加熱すると帯電するのでこの名前が付いたらしい。

ベリルは緑柱石のことで、元素ベリリウムの名前の由来となった。

燐灰石(アパタイト)はきれいな色をしているが、硬度が低くて脆いため宝石としては用いにくいとのこと。


化石の展示も多くあった。

その中で目を引いたのは神戸市北区産の「メタセコイア」の化石。

子供の頃、住んでいた神戸市北区の家の近所に、子供の足でも歩いて行ける山に露頭があって、そこによく葉っぱの化石を拾いに行った。大きなものはおそらく研究者や収集家の方々が掘り出した後だと思うが、細かな残骸は辺りにゴロゴロ転がっていたので、拾って持って帰っていた。結構大切に保管していたと思うが、今どうなっているかはわからない。

ちょっとWEB検索してみると、今でも神戸市北区で植物の化石を掘り出せるようだ。


その他の展示。

大量のキノコ展示
猛毒・カエンタケ

食べたら死亡の危険があるだけでなく、触るだけで皮膚がただれるなど、猛毒のカエンタケが、再度公園にあるとは・・・。

ヘラジカ頭部

いきなり出くわすとギョッとする、ヘラジカの頭部剥製。

1階の展示 

1Fの中央には、マストドンの大きな骨格標本があった。


その他にも様々な展示があって、十分楽しめる内容だった。

2022年10月には、新しい建物(コレクショナリウム)で収蔵物の新規展示も始まるらしいので、鉱物関連の展示についても更に充実することを期待したい。

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