昨日は佐用町方面に行く用事があり、せっかく近くに来たのだからという事で久しぶりに「西はりま天文台」に立ち寄った。
ずいぶん久しぶりだと思って本ブログの記録をたどってみると、前回の訪問は2013年1月だった。
なんと、もう9年半も経っている。ほぼ10年。ちょっと久しぶりな気がしていたが、そんなに前とは思わなかった。今回たまたま兵庫県立大学の学生さん(院生さん?)が大勢こられていて望遠鏡の使い方などの講習(夏の集中講義?)を受けておられるところだったのだが、10年前は彼らが小中学生だったのかと思うと月日の流れの速さを感じる。
さて、とりあえず「なゆた」を見に行くことにした。これは上の画像で左側の白色の建物(天文台南館)の中にあり、開館時間帯なら自由に入って見学できる。
なゆた望遠鏡の架台は経緯台式となっている。これは鏡筒があまりに巨大で重く、赤道儀式にするのが難しいため。そのために天体を追尾すると視野(写野)の回転が起こる、これを補正するためにカセグレン焦点には「インスツルメント・ローテーター」が付いている。これはぜひともアマチュア向け機材にもほしい。ベランダ観測では子午線での反転がない経緯台を使いたいが、写野回転がネックとなっている。フォーク式赤道儀も選択肢が非常に狭いし、接眼部に手軽に付けられるものをZWOあたりが安価に作ってくれないものか。コンピュータ制御の架台が当たり前となった現在なら、回転角度制御もUSB接続だけで自動で高精度にできるのではないか。ただし光学系と相対的な回転変位が発生するので、フラット処理が難しくなることが予想される。
なゆた望遠鏡の焦点は3つで、カセグレン焦点が1つ、ナスミス焦点が2つ。
ナスミス焦点は、アマチュア望遠鏡では聞き慣れないが、光路を高度軸にに導く方式で、その構造上、望遠鏡の高度調整で光路位置が変化せず、安定して観測できるらしい。確かに、観望会で使う眼視装置はナスミス焦点2から取り出して、接眼部を下方へ持ってきている。
各焦点の観測機材として、タワー型のパソコンがそのままぶら下がっていたりして、この望遠鏡の巨大さが分かる。自宅の望遠鏡ではASI AIRを載せる場所の確保だけでも一苦労というのに。
でも、そのタワー型パソコンが、一昔前の自作PC/AT互換機の汎用ケースの雰囲気を出しているあたり、ちょっと手作り感も有って親しみが湧くところ。5インチベイに入れたCDドライブの白色とケースの白色が微妙に違うところも、自作PC「あるある」な感じ。3.5インチFDDも入っているぽい。
なゆた望遠鏡を見た後、天文台南館のバルコニーに出て、天文台北館を眺めてみた。
青空に雲がモクモクと湧いて、夏らしい景色。芝生で寝転ぶには暑すぎるが、それでも昼食を食べている家族連れがいた。茶色い北館の上のドームは、60cm望遠鏡。
南館の1Fの展示コーナーに、はやぶさ2がリュウグウから持ち帰ったサンプルのレプリカが展示されていた。
思っていたよりは結構大きい。
このサンプル(レプリカ)は全国47都道府県の196か所に配られて展示されているそうだ(詳細は下記リンク)。
明石の天文科学館にもあるようだ。
天文台北館へ移動し、60cm望遠鏡を見学。こちらも自由に入ることができる。
こちらはフォーク式の赤道儀架台に載っている。
我が家のバルコニーにもフォーク式赤道儀がほしいところ。
この日は昼間の星の観望会も実施されるようだったが、それまでかなりの待ち時間がありそうだったので、参加せずに帰宅した。
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