天体望遠鏡博物館(香川県さぬき市)

10月初めの休日、香川県さぬき市多和にある「天体望遠鏡博物館」を訪問した。

本当はもっと早く行きたかったのだが、新型コロナのために行くタイミングがつかめず、今回やっと都合がついて訪ねることが出来た。アクセスは自宅のある明石から自家用車で明石海峡大橋を渡って淡路島経由で徳島に渡り、高松自動車道を使ってたどり着いた。

天体望遠鏡博物館
天体望遠鏡博物館

ここは昔の小学校の校舎を利用している。正面には大きなスライディングルーフがあり、観測会などに使用されている。このスライディングルーフの部分は後から増築されたそうだ。望遠鏡は五藤光学の25cm屈折と高橋の20cm屈折が入っている。

受け付けは校舎の奥の方へ入っていったところにあった。ここは元々小学校のプールで、それを埋めて使っているそうだ。

天体望遠鏡博物館 入口
天体望遠鏡博物館 入口

料金は大人500円。希望者にはボランティアスタッフの方が館内ガイドをして下さる。おそらく余程望遠鏡に詳しい人ではない限り、ここに収蔵されている望遠鏡類を見ただけで理解できないと思うので、ここはやはりガイドをお願いするのが良いと思う。私ももちろんお願いした。

まず、受付のある大型望遠鏡展示棟から見学開始。

大型望遠鏡展示棟(屈折エリア)
大型望遠鏡展示棟(屈折エリア)

南側は屈折望遠鏡エリア。15cm~20cmクラスの大型屈折望遠鏡が所狭しと並べられている。大型で高価なものなので学校などの公共施設に有ったものが多いが、中には個人が所有されていたものもあった。このクラスはF値も大きいので鏡筒が長く迫力がある。上の画像の左側に五藤光学、右側にはニコン製品が集まっている。中央には西村製作所の屈折もあった。反射のイメージが強い西村製作所が大型屈折を作っていたのも初めて知った。

五藤光学 15cm屈折(左)、20cm屈折(右)
五藤光学 15cm屈折(左)、20cm屈折(右)

中央の床には40cmシュミットカメラが横たわっていた。京大花山天文台にあったものだそうだ。

40cmシュミットカメラ
40cmシュミットカメラ

大型望遠鏡展示棟の北側は反射望遠鏡エリア

大型望遠鏡展示棟(反射エリア)
大型望遠鏡展示棟(反射エリア)

上の画像右側の20cm~30cmクラスが集められた領域では、高橋製作所、西村製作所、ミカゲ光器、宇治天体精機などの製品が並んでいた。

西村製各種望遠鏡

そういえば、高校の天文部の屋上ドームにも西村の反射赤道儀があった。当時でもすでにかなり傷んでいて、ほとんど使っていなかったように思う。

西村有二コレクション
西村有二コレクション

正面には大きくて古めかしい望遠鏡が並ぶ。

大きくて古い反射望遠鏡
大きくて古い反射望遠鏡

西村製作所の46cm。

西村製46cm反射(中央)

花山天文台にあった「カルヴァ46cm反射」。

花山天文台カルヴァ46cm反射(イギリスから輸入)
花山天文台カルヴァ46cm反射(イギリスから輸入)

赤道儀がイギリスの緯度に合わせて作られているため極軸の角度がかなり「立っている」のが分かる。そのため日本での設置には支えのパイプを付け足すなど苦労したようだ。

法月60cm反射(右)、人工衛星レーザー測距用60cmカセグレン反射(左)
法月60cm反射(右)、人工衛星レーザー測距用60cmカセグレン反射(左)

60cmカセグレン反射は、和歌山県の第五管区海上保安本部下里水路観測所で使われていたもの。

美星スペースガードセンター 1m反射望遠鏡

上の画像は岡山県の美星天文台の側にある、スペースガードセンターで用いられていたもの。ここは、以前美星天文台を訪問した時に横を通った。

さすがに1m鏡とフォーク式架台は大きい。そして、これに使われていたCCDカメラがまた巨大だった。

大型冷却CCDカメラ

この大きさで、10000 x 8000 の8000万画素なので、センサーピッチが結構大きいのかも。

ミードのカセグレン望遠鏡エリア
ミードのカセグレン望遠鏡エリア

バルコニーやベランダ観測をしていると、子午線反転のないフォーク式赤道儀にしたいと常々思うが、鏡筒と一体になっているため、選択肢が狭く運用しづらい。

大型望遠鏡展示棟の奥には、苗村鏡で有名で黄綬褒章を受章された、苗村敬夫さんが使用しておられた反射鏡製作機材が展示されていた。もう製作から引退されたので、こちらに置かれることになったそうだ。

苗村敬夫さんが使用されていた研磨機
苗村敬夫さんが使用されていた研磨機
苗村敬夫さんが使用されていた真空蒸着装置など
苗村敬夫さんが使用されていた真空蒸着装置など

この大型望遠鏡展示棟だけでも数えきれないほどの望遠鏡があり、個々の望遠鏡のアップ画像はかなり多く撮ったが、とても載せきれない。

ただこれは、ほんの序章に過ぎなかった・・・。


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