先日購入したR200SSのフラット補正については、これまで使っていた最大サイズのELシートであるA4版では少しサイズが小さい。A4サイズは短辺が210mmなので20cmの主鏡よりは大きいが、鏡筒の大きさなどを考えると、ちょっと厳しい。
そこでA3版のELシートを新たに購入し、フラット撮影用のパネルを製作した。製作と言っても大したものではなく、配線してカードケースに入れ、ダンボールで作った簡易枠に入れただけである。
購入したELシートは前回同様、ワンダーキットのホワイトELシートのA3版。これは未配線なので、自分で配線する必要がある。配線用のコードは、Amazonで「ELワイヤー延長ケーブル」を購入して途中で切断し、被覆をむいて用いた。
被覆を剥いた線を、シート裏面の外周の電極に載せ、付属の銀色のシールで貼り付けた。間隔が狭いのでショートしないように注意が必要。
線が引っ張られてシートから剥がれるとショートする可能性があるため、布テープで絶縁し、多少引っ張っても外れないように線を弛ませてまとめたところをダンボールで補強して、更に上からテープでぐるぐる巻きにした。
現在使用しているインバータはA4版用であり、2倍の面積であるA3版に流用するのは不安がある。また、A3版ではかなりの面積が余ってはみ出し邪魔になるため、短辺に合わせて正方形になるようカットすることにした。
これならA4版の3割増し程度なので、おそらく許容範囲と(勝手に)推測。
この時点でとりあえずインバータをつないで試験点灯してみた。
問題なく点灯した。
このままではペラペラで剛性が足りないし、配線がむき出しでは感電の恐れがある。本来はラミネート加工すると良いらしいが、今後のメンテナンスも考え、これまで同様に硬質の透明なカードケースに入れることにした。カードケースはA3より一回り大きなB3を購入した。
これはELシート用と、色調整フィルム用の2個を購入した。ELシートは先程正方形にカットしたので、カードケースも不要な部分をカットして使用した(切断面で手を切らないように布テープで貼り付けた)。
色調整フィルムを入れたカードケースが鏡筒側に来るが、カードケース表面はそのままではテカテカ光っているので、トレーシングペーパーをカードケースに外側に貼り付けてテカリを抑えた。
色調整については、以前色々とやってみたが、結局どうするのが正解なのかよくわからない。これまでデジカメで撮って太陽光設定で白色になるように調整してきたが、再考の余地ありと思っている。おそらく撮影時の背景に合わせるべきと思うが、その時の空の状態によって変わるので、とりあえず代表値として月のない透明度が高い快晴の天頂付近で合わせてみようかと思う。
ELシートを入れたカードケースの上に、色調整フィルムを入れたカードケースを重ねて置き、再度試験点灯。
トレーシングペーパーは結構細かなムラがあるので、本当は滑らかな拡散フィルムを貼ったほうが良いかと思う。
これをダンボール製の簡易枠に入れた。
出来上がり。
望遠鏡(R200SS)に付けると下の画像の様になる。
R200SSに取り付けようとしたところ、EAFのUSBケーブルと干渉した。フラット撮影時には一旦EAFを撮影ソフトと接続解除し、USBケーブルを外す必要がある。
また鏡筒先につけるべきか、フードの先につけるべきか迷った。本来はLight撮影時と同じくフードを鏡筒に付けたまま、その先にELシートを付けるべきかと思う。しかし現在付けている純正品の「200mm用対物フード」はヘナヘナで剛性が低く支えきれないので、とりあえずそれを外して直接鏡筒先に付けることにした。
現在、フラット撮影については、1対象撮影後すぐに撮影している。以前、フラット画像を日を変えて撮影し、その際にセンサー上のゴミの移動でフラット補正が合わず苦労したため。特に一眼レフはミラーの動きでゴミが一コマ毎に動いたりするので厄介。ゴミが動きにくいCMOSカメラでも、出来るだけLIght撮影直後に鏡筒やカメラを動かさずにフラット撮影したい。
下の画像は、ASI294MC Pro + エクステンダーPH +Comep BPフィルター + R200SSの組み合わせで撮影したフラット画像。
ELシート自体に大きな問題は無さそう。シートが原因の目立つ色ムラもない。上下(長辺)の辺付近に緑の色ムラが出るのは、ミューロン180C+A4版ELでも発生しており、カメラ側の原因と思われる。ただし、上よりも下のほうが色ムラが大きく、周辺減光にも若干の偏りがあるのは、まだ光軸がきっちり合っていないのだと思う。
ステライメージでの等光度曲線は↓。
やはり若干の偏りがある。まあ、この程度なら許容範囲かも。
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