2023年5月「SL人吉」撮影記&48696号機

(2023/7/17追記)動画のまとめを作成した(下のYouTubeリンク)。


いきさつ・計画

4月下旬の土曜日に「SL人吉」に乗車することが出来た(乗車記は下記記事)。

しかし当然のことながら、乗車してしまったら外側から走行シーンを見る(撮影する)ことはできない。そのため土曜日に乗車して日曜日に外側から撮影、というつもりだったが、日曜日に別の予定が入ってしまい、この時は外側から撮影出来ずじまいだった。そこで約1か月後の5月下旬の土日に改めて撮影を目的に九州を再訪問する事にした。

乗車時にも確認したが、昨年訪問時(2022年6月)に比べて鹿児島本線の列車が削減されていて、SL牽引となる上りSL人吉を追い抜く列車が減っている。SL人吉自体の運転停車も無いことを確認した。スケジュールの都合から撮影ポイントを大牟田以北に絞り、乗車時に確認した通過駅の時刻も入れて時刻表をまとめてみた。

上りSL人吉とその前後の列車時刻(2023年5月時点)

これを見ると、上りSL人吉を抜く列車は338Mしかない。抜くポイントは久留米駅で、SL人吉が9分停車している間に抜いていく。したがって列車で追いかけて撮影する場合は、熊本~久留米間のどこかで1回、338Mにて久留米で抜いて、久留米~鳥栖間で1回、の計2回の機会となる(久留米駅での追い抜き時に車内から見えるのはは除く)。昨年6月は熊本でSL人吉が入線した後に先行出発する列車も含め、計4回撮影機会が有ったのに比べると半減である。なお九州新幹線を利用しても3回に増やすことは出来ないようだ。仕方ないがこれで土日の2日かけて撮影することにした。


5月20日(土)・上りSL人吉

土曜は朝から西明石を出て新幹線と在来線を乗り継ぎ、大牟田に到着。ここを出発点とした。この日は上の時刻表に従い、渡瀬駅と鳥栖駅で撮影することにした。

大牟田はJRと西鉄の駅が隣接しているが、西鉄の駅前で目に付いたのが市電の車両。

西鉄大牟田駅前 204号電車
西鉄大牟田駅前 204号電車

この電車は中がカフェになっている。こういうのはちょっと珍しい。

西鉄大牟田駅前204号電車の中のカフェ
西鉄大牟田駅前204号電車の中のカフェ

ここでコーヒーと「リンゴのコンポート」を頂いた。

リンゴのコンポート
リンゴのコンポート

クリームたっぷりで美味しかった。カロリー補給して出発。

大牟田12:13発の336Mに乗車。

大牟田駅 12:13発 336M
大牟田駅 12:13発 336M

車両は821系。2019年に導入されたばかりの比較的新しい電車。この前面の周りをライトが囲う斬新なデザイン。

821系電車 内装
821系電車 内装

そしていつも思うけど、JR九州の車両は特急でも普通でも内装が凝っていてきれい。

821系電車 車両間ドア
821系電車 車両間ドア

この車両間のガラスドアとか。

12:23頃、渡瀬駅に到着。

渡瀬駅
渡瀬駅

ここは上り線(画像右側)と下りホーム(画像左側)の間が線路1本分空いている。おそらく真ん中の待避線を撤去した跡だと思う。そのため下りホームから上り線の車両下部が写るし、下り列車は下りホームの反対側を通るので被る心配が無い。そういう訳で下りホームで待機していると、12:40頃、黒い煙を吐きながらSL人吉がやってきた。なお今回はSLの走行中の撮影は全て動画で行ったので、それをWindows Media Playerで再生してスクリーンキャプチャしている。

渡瀬駅を通過する上りSL人吉(12:40頃)
渡瀬駅を通過する上りSL人吉(12:40頃)

SLが通過した後は煙に包まれ、走り去っていく様子はあまり鮮明に写らなかった。しかし動画ではそれもいい雰囲気になっている。

これで渡瀬駅での撮影は終了。この後、渡瀬発12:53の338Mに乗車した。

渡瀬駅 12:53発 鳥栖行
渡瀬駅 12:53発 鳥栖行 338M

そして13:19頃、久留米にてSL人吉を追い抜いた。

久留米駅 13:19頃 338MにてSL人吉を追い抜き
久留米駅 13:19頃 338MにてSL人吉を追い抜き

追い抜き中の画像を窓越しに撮るのは難しい・・・。車内を見ると、他にも窓越しに撮影している人が多くいた。車を使わず追いかけるとなると、このパターンしか無いのだと思う。

そして鳥栖には13:28着。SL人吉は13:37頃に2番ホームに到着するので、対向する3番ホームで待ち構えて撮影することにした。このとき3番ホームには別の列車が停車中だったが、短い編成なのでそれを避けて2番ホームが見える位置から撮影した。本来はホーム南端(久留米寄り)がベストだがすでに多くの人が居たので、ホーム中ほどから撮影した。

到着時は絶気運転なので煙は少なめ。迫力があまりない。

走行中は動画撮影だが、停車中は静止画で撮影した。

上りSL人吉 鳥栖駅到着後(2023/5/20)
上りSL人吉 鳥栖駅到着後(2023/5/20)

煙に包まれていい感じ。

到着後の停車は10分程度で、この後13:47~48頃にバックで(DLを先頭にして)留置線へ回送されていった。

鳥栖駅から留置線へ回送
鳥栖駅から留置線へ回送

静止画では到着時なのか、バックでの回送時なのか区別しにくいが、煙のたなびく向きでかろうじて分かる。


5月20日(土)・下りSL人吉

DL牽引となる下りのSL人吉は、下の時刻表の通り、それを追い抜く列車が一本も無い。

下りSL人吉(DL牽引)とその前後の列車時刻(2023年5月時点)

ただし、鳥栖で15:01頃にSL人吉が入線してそれを撮影した後、SL人吉の発車を待たずに15:09の5357Mに乗れば先回りできる。今回は鳥栖での入線撮影、その後先回りして久留米駅での撮影を行うことにした。SL牽引の下り人吉に比べて優先度は低いが、DL牽引列車も今や貴重な存在である。

下りSL人吉は鳥栖駅の5番ホームに入線してくるので、対向する4番ホームの南端で撮影することにした。すぐに乗らなければならない15:09発の5357Mが3番ホーム(4番ホームと同じ面)なので、少しでも鳥栖駅での撮影時間を稼ぐ意味もある。なお4番ホームには14:58分発の列車が停まっていて5番ホームへの視界を遮っているが、これは下りSL人吉の入線前に居なくなるので心配ない。

鳥栖駅4番ホームから5番ホームを見る。14:58頃
鳥栖駅4番ホームから5番ホームを見る。14:58頃

5番ホームには「みどり・ハウステンボス35号」がいるが、これも14:58発で出ていき、この後に下りSL人吉が入ってくる。

15時を過ぎ、留置線上のSL人吉が動き出す。

鳥栖駅3番ホーム南端から留置線上のSL人吉を見る
鳥栖駅4番ホーム南端から留置線上のSL人吉を見る

当然ながら入線時はSLを先頭にして入ってくる。これが一日のうちでSL先頭状態を撮影できる最終チャンスとなる。

鳥栖駅 下りSL人吉の入線 15時過ぎ
鳥栖駅 下りSL人吉の入線 15時過ぎ

時間ギリギリまで撮影した後、15:-09発の下り普通列車に飛び乗った。

久留米には15:16着。久留米では下りホームで15:22着のSL人吉を待ち構えて撮影したが、これは少し失敗。下りホームは人が多く写りこみ、また車両の下部は写らない。

久留米駅を出ていく下りSL人吉
久留米駅を出ていく下りSL人吉

久留米駅から出ていく下りSL人吉を見送り、この日は終了。この日は久留米市内に宿泊した。


5月21日(日)・48696号機(大牟田市動物園)

宿泊したのは西鉄久留米駅近くだったので、日曜日は西鉄で再び大牟田に向かった。西鉄に乗るのは初めて。

西鉄大牟田駅
西鉄大牟田駅

この日はSL人吉の撮影の前に、大牟田市動物園に展示されている8620形蒸気機関車48696号機を見に行くことにした。これはSL人吉を牽引している58654号機の同型機。

大牟田市動物園は大牟田駅から徒歩20分ぐらいなので歩けないことは無いが、坂道もあるし、この日は特に暑かったのでバスに乗ることにした。ただ延命公園・動物園前行のバスは1時間に1~2本程度と大変少ない。特に帰りは乗り遅れると予定の列車に間に合わなくなる可能性が有るので、バス停で時刻表をしっかり確認することが必要。

大牟田市動物園 入口
大牟田市動物園 入口

動物園は有料。SLを見るだけのために500円を払って入場。48696号機は入口を入ったすぐ側にひっそりと展示されていた。屋根は無く雨ざらし。

8620形蒸気機関車48696号機・大牟田市動物園
8620形蒸気機関車48696号機・大牟田市動物園・2023年5月
8620形蒸気機関車48696号機・大牟田市動物園・2023年5月
8620形蒸気機関車48696号機・大牟田市動物園・2023年5月

これは結構ひどい傷み具合・・・。車両のあちこちの個所で腐食から穴が開いており、その中から雑草が生えている。今にも自然に還りそうな雰囲気。柵も無く側まで寄れるので、もしも金属板や部品が腐食で脱落して落ちてきたら危険ではないのかな。小さな子供が集まるような場所だし。

多度津の58685号機もかなり傷んできていると思ったが、これほどではなかった。こちら(大牟田の方)は更に悪い状態で、穴が開いてしまったらもう塗装をして直せる段階ではないと思う。今回の訪問前のWEB画像下調べで、前面のナンバープレートが無い事は知っていたが、これほど傷んでいるとは知らなかった。数年前の画像を見るとこれほどひどくなかったはず。

大牟田市動物園 48696号機 説明版
大牟田市動物園 48696号機 説明版

設置時はきれいだったようで、その後、SLあそBOY、SL人吉で活躍している58654号機への部品取りとして使われていたようだ。

昨日から見てきた58654号機はピカピカに磨かれ、金帯で飾られ、多くの人に手を振られて惜しまれながらラストランに向けて日々走っている。

一方、58654号機を支えるために部品を提供してきた48696号機は、動物園の片隅で雨ざらしになりメンテナンスもされず、寂しく朽ち果てていきつつある。

帰りのバスの時間が迫ってきたため、動物は一切見ずに帰ることとなった。


5月21日(日)・上りSL人吉

動物園から大牟田駅に戻り、前日同様に12:13発の上り336Mに乗った。この日は瀬高駅と肥前旭駅にて撮影することにして、まずは瀬高駅で下車した(12:30着)。

瀬高駅・手前が上りホーム、奥が下りホーム
瀬高駅・手前が上りホーム、奥が下りホーム

瀬高駅も前日の渡瀬駅と同様、上り線と下りホームの間が線路一本分空いている。したがって上り列車を下りホームから被りなく撮影できる。下りホーム南端には先客が居たので、ホーム中ほどで撮影することにした。

先日の乗車時にSL人吉は12:49頃通過することを把握していたが、当日の遅れなどは分からないので、本当にやってくるのか不安になる。そういう時便利なのが、JR九州のアプリ内にある列車現在位置リアルタイム表示機能「どれどれ」。

JR九州アプリの列車現在位置表示機能「どれどれ」

この日は定刻通り運転しているようで一安心。出来ることなら全ての駅ごとの通過情報が欲しいが、これだけでもずいぶん助かる。

しばらく待って12:49頃上りSL人吉がやってきた。

瀬高駅を通過する上りSL人吉(12:49頃)
瀬高駅を通過する上りSL人吉(12:49頃)

煙は前日の渡瀬駅通過時よりも少なめ。そのため去っていくDE10の後姿が良く見えた。

その後、瀬高発13:00の338Mに乗車。

前日と同じく、久留米13:20頃に停車中のSL人吉を追い抜き。

久留米駅 13:20頃 338MでSL人吉を追い抜き
久留米駅 13:20頃 338MでSL人吉を追い抜き

13:23に肥前旭駅にて下車し、急いで駅の外に出た。

肥前旭駅
肥前旭駅

駅を外側から跨ぐ歩道橋があるので、その上から撮影することにした。ただし、歩道橋の柵が高いのでファインダー撮影は出来ず、カメラを持ち上げて背面液晶を見て撮影することになった。

少し視点を変えようと思ったのだが、思っていた以上に架線柱・ビームが邪魔だった。しかしもう移動している時間が無いので、そのままで撮影した。13:32頃、下りの普通列車と入れ違いにSL人吉がやってきた。

この場所からの撮影はいまひとつ良くなかったかも。

撮影後、肥前旭駅13:53発の340Mに乗って、鳥栖駅に13:57着。この時SL人吉は既に留置線へ回送済みだった。


5月21日(日)・下りSL人吉

15時前の鳥栖駅発車案内板。

鳥栖駅 発車案内 2023年5月
鳥栖駅 発車案内 2023年5月

鳥栖駅は、鹿児島本線、長崎本線、久大本線、佐世保線の各方面からの特急列車が停車するので、賑やかな内容となっている。そして「SL人吉」の駅名標の前で記念撮影する人が後を絶たなかった。

下りSL人吉の鳥栖駅入線時刻は15:01頃、5番ホーム。前日は4番ホーム南端から撮影したので、この日は4番ホーム中ほどから撮影してみた。4番ホームに停車していた普通列車は14:58に出ていき、5番ホームが見渡せるようになった。5番ホームは乗車する人もいるので大変混雑している様子。撮影するだけなら4番ホームからの方が良い。5番ホームの「みどり・ハウステンボス」が出て行ったあと、下りSL人吉が入ってきた。

鳥栖駅 下りSL人吉 入線後
鳥栖駅 下りSL人吉 入線後

そして前日同様、下りSL人吉の発車を待たず、3番ホームから15:09の5367Mに乗って久留米駅へ先回りした。

久留米駅では、前日の下りホームからの撮影があまり良くなかったので、上りホームに移動した(時間の余裕があまりないので急いで移動)。ただしここもホーム北端(鳥栖寄り)には先客がいたので少し後ろに下がって撮影した。15:22頃に下りSL人吉が到着。

久留米駅 下りSL人吉
久留米駅 下りSL人吉

そしてすぐに発車していった。

久留米駅を出発する下りSL人吉
久留米駅を出発する下りSL人吉

これにて、2日間の撮影は全て終了。普通列車で博多まで行って、そこから新幹線で帰宅した。

ほとんどが待ち時間であまり動いていないのにもかかわらず、かなり疲れた。5月にしては季節外れの暑さだったせいかもしれない。最高気温が30℃に迫っていたようだ。しかし昨年6月に秩父鉄道のパレオエクスプレスに乗った時は、6月にも関わらず熊谷で最高気温40℃という状況に遭遇したので、その時よりはマシだった。

それにしても、走る列車の撮影はなかなか難しい。今回はコンパクトデジカメを使ったが、やはり一眼カメラの方が良かっただろうか。今所有する一眼カメラで一番新しいのはPentax KPだが、Pentaxで動体を撮るつもりは全く無かったので、レンズを持っていない。DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLMを買うべきか。

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