受付・大型望遠鏡展示棟を出て、次に校舎1階から張り出して増築されている大型望遠鏡観測室へ移動した。ここには現在2セットの望遠鏡が設置されている。屋根はスライディングルーフになっていて全開にできるが、訪問時は半分だけ空いていて、奥側の望遠鏡のみ稼働していた。
まず、手前にはミカゲ光器製赤道儀に載せられた高橋20cm屈折。
これで見る惑星はすごいらしい。一度見てみたいが今回は昼なので無理。
奥の方の望遠鏡は五藤光学製25センチ屈折。
訪問時はちょうど晴天で、投影で太陽黒点を見ることが出来た。太陽はこれから活動が活発になり、黒点も増えてくる。
それにしても、大型の屈折は口径だけでなく長さもかなりあって迫力があるし、カッコいい。私がこれまでに見た最大口径の屈折は、おそらく三鷹の65cmだが、あれは長さが10mぐらいあって別格な感じがした。
次に校舎内に入って、小型望遠鏡の展示を見学した。
校舎の2階展示室に上る階段脇には、五藤光学製の古いプラネタリウム装置があった。
完全なアナログ式で、操作盤のダイヤルの数が多い。これを操作するにはかなりの熟練が要りそうだ。
校舎2階の小型望遠鏡展示は、昔の教室をそのまま利用していて、カテゴリ別に教室を分けている。
廊下の雰囲気は小学校のものそのままで、懐かしい印象。複数学年が1教室になっている。
教室の並びとは順不同になるが、まず古い望遠鏡の部屋。
中央の大きな鏡筒は、天体用ではなく観光地の風景観察用に作られたもの。
ここで興味をひかれたのは。バランスウェイトが鳥の羽のように斜めに2個ついた赤道儀。
極軸を垂直に立てて経緯台としても使える構造のようだが、そのための工夫だろうか。
五藤光学の小型屈折群。
「理科教育振興法」により、全国の学校への納入が増えたそうだ。シェア8割だとか。
1960年代~1980年代の部屋
この年代は私が子供~学生時代なので、馴染みがあるというか、懐かしい機種が多い。ビクセンのオレンジ鏡筒とか、五藤のMark-Xとか。
一番奥で外を向けられているのは、エイコー・スカイレーダーE型という機種で、鏡筒の中にフリップミラーが組み込まれていて、ファインダー機能を主鏡に持たせていること。
実際に操作してみたが、ビクセンのフリップミラーのような感覚でちゃんと使える。
それから、ポータブルのクーデ式システムもあった。これは日野金属(ミザール)製。
天文台の大型望遠鏡ならともかく、このサイズでクーデ式は珍しい。カメラを乗せて手動ガイド(または半自動ガイド)するのは楽なのかも。
天文マニアの部屋。
この部屋には、まず彗星探索関連の貴重な機材がある。本田実さんのシュミットカメラ、百武裕司さんの双眼望遠鏡など。
そして、その他の展示は主に天体写真分野で活躍する機材が多い。
高橋の小型赤道儀とフローライト鏡筒はぜひとも使いたかったが、高価なので買えなかった。特に上の画像右のP-2は今でも欲しい。高校の天文部にはスカイキャンサーがあり、それを担いで山に登って手動ガイド撮影をしていた(もちろんフィルムカメラ)。
そして、ペンタックスの鏡筒が数多く壁掛けされている。
PENTAXの屈折鏡筒も高橋のフローライト同様に天体写真をするなら憧れのブランドだが、その高価な鏡筒がこんなに多く並んでいるとは・・・。こちらの解説によるとレンズが入っていない筒だけのものもあるようだが、それにしてもすごい数である。
その他の部屋や廊下にもまだ多くの望遠鏡が並べられていた。
特に入門クラスの10cm以下の反射、8cm以下の屈折は無数にある感じ。これだけあれば、昔自分が持っていた機種もありそう。収蔵品の検索はこちらで出来るようだ(私が高校時代に所有していたビクセンの9cmアクロマートは無かった)。
大型望遠鏡棟ではそのスケールに圧倒されたが、小型望遠鏡展示室ではその数に圧倒された。もちろん貴重なもの、レアものにも目をひかれた。
望遠鏡の展示見学は以上で、あとは天文図書室(資料の展示室)。
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