NexImageとQcam S7500を、木星撮影にて比較

現在私が天体向けに用いているWEBカメラは、セレストロンの「NexImage」とロジクールの「Qcam S7500」である。

NexImageとQcam S7500
NexImageとQcam S7500

NexImageはオードガイドシステムである「ガイドウォーク」に用いるためにセットで購入したもので、天体向けとして作られているので無改造で31.7mmの接眼部に差し込んで使うことが出来る。センサーはCCDだ。一方S7500は一般的なWEBカメラでセンサーはCMOS。望遠鏡に接続するためにレンズの除去と31.7mmバレルの接着を行っている。

これらのWEBカメラは元々ガイド用として購入したが、この夏からNexImageを木星の撮影にも使用している。しかしS7500の方ではまだ木星を撮影したことがなかったので、今回両者を比較してみることにした。

撮影日は8月19日の夜で、望遠鏡はFLT98。5倍パワーメイトを介してWEBカメラを接続し、木星の動画撮影を行った。動画の解像度は、NexImageは640×480のみ。S7500は640×400と、960×720の2通りとした。S7500では更に高解像度の1280×1024も選択できるが、フレームレートが極端に落ちてしまうのと、ファイルサイズが大きくなりすぎるので、今回はやめておくことにした。

シーイングは中程度で、大赤斑などの模様ははっきり見えるが、木星の外縁部はユラユラとゆれて絶えず形を変えている状況だった。

動画から1フレームのみを抜きだし
動画から1フレームのみを抜きだし

さて、撮影結果である。これ(↑)は動画から1フレームのみを抜きだしたものの比較だが、これを見るとS7500はかなりノイズが多いことが分かる。これは動画キャプチャー時にモニター画像を見ていても違いがよく分かった。このときはかなり気温が高かったのでその影響があるのかもしれない。動画を見る限り、確実にNexImageのほうが勝っているという印象であった。なお、この画像では、NexImageは北が上、S7500は南が上になっている。それとS7500の960×720は縦横比が少しおかしくなっていた(縦がやや短い)ので、画像処理時に補正した。

RegiStaxで処理
RegiStaxで処理

ところがRegiStaxで処理してみると、S7500の方もそれほど負けていない結果となった。多数枚スタックによってノイズの影響が低減された為だろうが、S7500の元動画からここまで細かな模様が出てくるとは思わなかった。そしてS7500の960×720を2/3に縮小したものは、NexImageの640×480よりも精細感の高い画像となった。これも元動画の印象とは逆の結果となっているのが面白い。

それから、S7500の方は、木星外縁から内側に同心円状の影が出来ているのがやや目立つ。これはNexImageでも同様に出るがS7500の方が強く出た。ただしこれは撮影時の画質設定やRegiStaxでのWavelet処理によっても変わってくるので、S7500が悪いわけではないと思う。

今回は、木星を初めてS7500で撮影したわけだが、カメラの設定に不慣れな点もあって、ベストの設定で撮影できたかどうかは分からない。まだ改善の余地はあると思うので、今後、まだ試していないズーム機能を使用するなど色々と試してみたいと思う。

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