・2009年10月購入
「スカイクオリティーメーター(SQM)」は夜空の明るさを測定する計測器である。これによって光害の程度を数値としてあらわす事が出来る。測定する範囲が80度の「SQM」と、20度の「SQM-L」があるが、自宅ベランダや視界の狭い観望場所でも使えるよう、SQM-Lの方を購入した。
購入の動機としては、先日開催された「デジカメ星空診断」に参加したことで、光害測定への興味が高まってきたきたことだ。最近は光害がますますひどくなってきており、更に黄砂が飛来する日も増え、星を見る環境は年々悪化している。これまでもそのような傾向はなんとなく分かっていたが、やはり定量的に評価しておきたいと思っていた。
しかしデジカメによる計測は撮影の手間がかかり、今のところ自分で数値化する方法も分からない。そこで手軽に計測できる手段として、SQMを購入することにした。
使い方は簡単で、測定したい方向を向けてボタンを押すだけである。明るいところなら一瞬で数値が表示される。暗いところなら数秒待たなければならないようだ。表示される数値の単位はパネル上に「mags/arcsec^2」と書かれている。これは「1秒角×1秒角の面積あたり、何等級の明るさか」という意味らしい。日本語では「等級/平方秒角」となるのだろうか。つまりこれは星の明るさと同様に対数的なスケールとなっているということだ。数値の目安としては、17が満月+街灯のある状態、23がほとんど光害のない真っ暗な空とのことだ。
この単位は光害を評価するための単位として一般的なようで、「デジカメ星空診断」でも用いられている。そのため、自分でSQMを用いて測定した結果と、星空診断のような光害調査などで公開される値を比較することが出来る。なお、計測器としての精度は0.1[mags/arcsec^2」とのこと。
さて、ファーストライト(?)は先日の砥峰高原遠征時であった。残念ながら曇が多く、天頂に晴れ間が広がったときになんとか測定してみたが、周囲の雲(白くて明るい)の影響を受けているかもしれない。また、各方角については雲のために測定できなかった。測定は3回おこなって平均値をとった。
場所 | 日付 | 時間 | 方向・高度 | SQM測定値 | 備考 |
砥峰高原 |
2009/10/25 |
0:06 | 天頂 | 21.08 | 参考値(薄雲有り) |
↑ |
↑ |
2:40 | 天頂 | 21.00 | 参考値(薄雲有り) |
↑ |
↑ |
3:45 | 天頂 | 20.96 | 参考値(薄雲有り) |
薄雲有りとはいえ、21という値が出るのはさすがに砥峰である。本格的に晴れたら更に暗い測定値が出るのだろうか。
次に自宅のベランダ(兵庫県加古川市)から測定してみた。向きは南東45°である。説明書によると高度は40°以上確保する必要があり、それより下を向けると地上の光の影響を受けるそうた。また上を向けすぎてもマンションの上階からの光を受けるためか数値が悪くなるので、結局45°で測ることにした。
場所 | 日付 | 時間 | 方向・高度 | SQM測定値 | 備考 |
自宅ベランダ |
2009/10/27 |
0:32 |
南東・45° |
18.03 |
3等星がはっきり見える |
↑ |
2009/10/28 |
0:53 |
↑ |
17.65 |
3等星は見づらい |
27日は割と空の状態が良くて3等星まで楽に見え、測定値は18.03であった。これでも薄雲の砥峰高原より3等級も悪い。翌日28日はやや霞んでいて3等星はかなり見づらい状態で、測定値は17.65となった。この両日の差は見た目ではかなり大きかったが、測定値では0.4程度しか変わらないのが意外であった。
今後、観望や撮影時には出来るだけ測定値を記録していきたい。また、デジカメ星空診断の結果が出たら比較もしてみたいと思う。
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