系外銀河 M105付近と電視観望雑感

系外銀河 M105付近
しし座の系外銀河M105付近/(右)M105・9.3等、(左上)NGC3384・10.0等、(左下)NGC3389・11.8等
  • 【環境】
    • 2022/4/8 19:23 – 20:30 / 兵庫県明石市/気温 16℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.1(月齢7の月明有り)
    • 2022/4/9 19:21 – 21:52 / 兵庫県明石市/気温 16℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.2(月齢8の月明有り)
  • 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ Comet BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>N.I.N.A 1.10 HF3/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30・180sec x 73コマ(合計219分)/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 2×2ソフトビニング・トリミング有り

光害地の自宅で撮影した、しし座の系外銀河M105と、その近傍の系外銀河NGC3384、NGC3389。下は銀河の番号入り画像。

しし座の系外銀河M105付近
しし座の系外銀河M105付近

これらの銀河は、しし座の腹のあたり、レグルスとデネボラの中間に位置している(下図参照)。

しし座の系外銀河M105の位置
しし座の系外銀河M105の位置

数百mmの焦点距離では、近くにあるM95、M96と合わせてM天体系外銀河トリオとして撮影されることが多い。ただし、しし座にはもっと有名な系外銀河トリオである「M65・M66・NGC3628」があるため、M105のほうはあまり目立たない。私も以前撮影していたが、もう14年も前のことだった。

さて、今回の画像はこのトリオではなく、M105のみをもっと長焦点距離(R200SS+エクステンダーPH)でアップにしたもの。そうすると、M105のすぐ側にも2つの系外銀河があって小さなトリオを形成する。

このうち右のM105と左上のNGC3384は楕円銀河であり、あまり特徴が無い。楕円銀河は光害地で撮影しても周辺部が光害に埋もれるため、中心付近が「ボヤっと」写るだけで、あまり面白みがない。ただ今回の小さなトリオは左下のNGC3389が視直径2.7分角と小さいながら渦巻きが分かる形で少し青っぽく、アクセントになっている。


上の2008年に撮影した「M95・M96・M105」だが、光害地の加古川市内からたった18分の露出となっている。しかもノーマルのkiss X2で、オートガイドも無しの60秒×18コマ。それでも系外銀河トリオの様子は分かるし、今回のM105付近の小さなトリオも写っている。

これは今でいうと、ライブスタック式の電視観望に近い。これを見ていると、当時はもっと気楽に撮影していたように思う。

それと、ライブスタック式の電視観望については、徐々に星雲などが浮かび上がってくるのは面白くはあるが、どうも「観望」と言われると違和感があって、むしろ写真撮影のカテゴリがしっくりくる。

私個人としては「観望」感があるのは、やはり数fpsぐらい。最低でも0.5fpsぐらいか。オートガイド用の画像を見ていると、ぎりぎり「観望」感があるので、その程度だと思う。そもそも基本的に静止していて動かない天体にfpsが必要な理由が分からないが、視野を振った時の星の動きや、視野のブレ、星の瞬き・揺らぎなどかもしれない。

昨年秋ごろにASI482MCで色々と星空動画を撮影して思ったが、自分の好みに合っているのは数秒露出によるライブスタックよりも、8fpsぐらいの動画の方。

動画については、あとでNeat Videoによるノイズ低減や画質調整を行っているが、ライブでのノイズ多めの動画でも結構楽しいし、雲の通過も(適度なら)演出の一つになる。

ライブスタックは、やっているうちに欲が出てきて、「これだけ晴れているのなら、ちゃんとオートガイドして・・・」となってしまう。

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