NGC6995 網状星雲(こうもり星雲)・光害地

NGC6995 網状星雲(こうもり星雲)
NGC6995 網状星雲(こうもり星雲) (はくちょう座の超新星残骸・視直径 12′ x 12’) 
  • 【環境】2023/8/20 01:35 ~ 03:50 / 兵庫県明石市/気温 30℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.9
  • 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ Quad BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>N.I.N.A 2.2/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30・180sec x 44コマ(合計132分)/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight: WBPP, ABE, DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 2×2ソフトビニング

今年の夏、光害地の自宅から撮影した、はくちょう座の超新星残骸「網状星雲」の東側の南端であるNGC6995付近。

網状星雲ははくちょう座の東側の翼付近に位置する、大きなループを描く超新星残骸。位置は下の星図参照。

網状星雲の位置
網状星雲の位置

そのうち明るめの部分は西と東に分かれている(全体像は下の記事参照)。

西側(右側)の部分にはNGC6960の番号が付いており、「魔女のほうき星雲」の別名もあるようだ。たしかに言われてみれば、そう見えなくもない。また、中央部に輝く4等星が良いアクセントになっている(下の記事参照)。

左上の赤い三角形のような部分は「ピッカリングの三角形」と呼ばれているところ。

東側(左側)の部分にはNGC6992, NGC6995の番号が付いている。

この東側は数字の「6」のような形をしているが、北側(上側)の棒の部分がNGC6992、南側(下側)の四角の部分がNGC6995となる。

今回はR200SS+エクステンダーでこの四角形の形をしたNGC6995付近を拡大して撮影した。網状星雲は拡大して見ると細かなフィラメントが複雑に入り組んだ様子が分かるので、出来るだけ長焦点距離で撮影してみたいと思っていた。特にこのNGC6995は形も面白いが、ここには「こうもり星雲」という別名も付いているようだ。いったいこの四角形のどこが「こうもり」なのかと思ったが、これは東を上になるよう回転してみた方が分かりやすそうだ。

NGC6995「こうもり星雲」(東が上)
NGC6995「こうもり星雲」(東が上)

画像の上側の緑の部分の中央が頭で、大きく口を開けており、両側に手を広げている。そして四角形の部分が胴体となる。緑色の手から四角形の胴体の間には赤色の飛膜が張っている。下側には短い尻尾と後ろ脚の突き出しもあるようだ。そう思ってみていると、なにやら恐ろし気なコウモリの姿が重なって見えてきた。


今回の撮影はQuad BPフィルターを用いて行った。このフィルターは光害除去効果が高い反面、多くの露光時間を必要とする。最低でも3時間、できれば6時間ぐらいは露光したいと思い複数日での撮影を考えていたが、今年の夏は天候に恵まれず、結局1晩しか機会が無く132分しか稼げなかった。それでも網状星雲は明るめなので、なんとか見られる画像にすることが出来た。2時間強の露光時間だけでここまで写ればひとまず満足といえる。

光害地での撮影は背景のカブリムラと色ムラの補正にいつも苦労するが、それは写野が広いほうが難度が高くなる。そのため最近は、写野の狭い長焦点距離で明るめの星雲の中央部を狙って撮影するのが良いのではないかと思っている。明るい部分なら総露光時間が短くても写るし、後の画像処理も比較的楽で、細かな構造の見栄えも良い。

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