- 【環境】2024/10/11 0:15 ~ 1:45(UTC +11:00) / オーストラリア サイディング・スプリング/気温 不明/光害レベル:不明
- 【光学系】RA501: Dall-Kirkham Astrograph D=510mm, f=2259mm (F4.4)
- 【カメラ】FLI PL-09000
- 【架台・ガイド】Planewave Ascension 200HR赤道儀:恒星時追尾・オートガイド無し
- 【ソフトウェア】MaxIm DL Version 6.30
- 【撮影法】センサー温度 -25℃
- L:120sec x 20コマ、R:120sec. x 5コマ、 G:120sec. x 5コマ、B:120sec. x 5コマ、
- 【処理法】
- 前処理(リニア):
- 画像キャリブレーション(ダーク・フラット補正)は撮影サービス側で実施。
- PixInsight: DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator, LRGB合成
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
- ピクセル等倍・トリミングあり
リコー天体撮影サービスで、オーストラリアの50cm望遠鏡(RA501)にてリモート撮影した、全天で2番目に明るくて大きな球状星団、NGC104。
全天で最も明るくて大きな球状星団はケンタウルス座のω(オメガ)星団で、ステラナビゲータのデータでは光度3.7等、視直径36’となっている。これはあまりにも明るいため肉眼では恒星と同じように見えたので、星座内の星の記号であるωが割り当てられたもの。そして今回撮影したNGC104は光度4.0等・視直径30’と、ω星団にわずかに及ばないが、ほぼ同規模の明るくて大きな球状星団。これも肉眼では恒星と見分けがつかず、きょしちょう座の47番星とされていた。
上の画像は50%に縮小しており、星がびっしりと密集した様子がわかる。この中心部をピクセル等倍で切り出したのが下の画像で、星が一面に敷き詰められたようになる。
これを見ていると、普段撮影しているメシエ級の球状星団とは格が違うように思える。視直径30分角というと、ほぼ満月と同じ大きさになる。北天で最も大きな球状星団M13は光度5.8等・視直径20’程度なので、南天の上位2つの球状星団が突出して大きく明るく。恒星と間違えられるのも納得できる。
先月おなじオーストラリアのRA501で撮影したNGC6752は光度5.4等・視直径20.4’なので、M13と同程度の規模となる。こちらの方は普段撮影しなれた普通の大型球状星団の雰囲気がある。
なお、ω星団は日本からでもごく低い高度で見ることが出来る(赤緯-47°)が、NGC104は赤緯-72°なので完全に見えない。オーストラリアの望遠鏡で有償撮影するのであれば、まずこのような日本から見えない天体を優先して撮影したいと思い、ターゲットに選んだ。位置は下の星図通りで、小マゼラン雲のすぐ側になる。
南半球に行かずとも自宅から指示するだけで手軽に撮影することが出来るのは、選択肢として有難い。それなりの価格がするので頻繁に使うのは経済的に難しいが、日本が長雨などでしばらく撮影出来ていないときなど、気分転換的に使うのもありかと思った。
コメント