【機材】FLT98とED100Sf、二重星の眼視での比較

先日FLT98を購入してから、なかなか好天に恵まれていない。晴れても薄雲がかかっていて霞んだような状態がこのところ連日続いている。

それでも一昨日はなんとかアンタレスが見えたので、とりあえずポルタに載せてのぞいてみた。しかし5cmファインダーでM4すら見えないひどい状況。星雲・星団は無理で、月も惑星も出ていなかったので、高倍率で二重星を見てみることにした。

対象はへびつかい座ρ星(ρOph)とアンタレス。

へびつかい座ρ星~アンタレス
へびつかい座ρ星~アンタレス

ρ星は5.0等と5.7等の星が2.8″離れて並んでいる2重星
アンタレスは1等星だが、2.6″離れて5.4等の伴星が存在する。
(写真は砥峰高原にて200mmレンズで撮影したもの)

空の状態は、揺らぎは少ないものの、対象の高度も低く、空も霞んでいるので良いコンディションではない。

アイピースはナグラーズーム3-6mmで約200倍となるように調整し、ミラーは笠井トレーディング31.7mmDX天頂ミラーを用いた。

へびつかい座ρ星は、FLT98(3mm・206倍)でも、ED100Sf(4mm・225倍)でもきれいに分離する(10cmなのであたりまえだが)。ぱっと見た感じでは両者はあまり変わらない。ただし、よく見るとわずかにFLT98の方が星像が小さく分離がよい印象だ。若干の倍率の違いのせいか、先入観かもしれない。横に並べて見比べたのではなく、架台に鏡筒を載せ替えてファインダーやミラー、アイピースを付け替えての比較なので、厳密には比べられない。

アンタレスは両鏡筒とも伴星が見えなかった。やはり主星の光が強すぎるのだろうか。星像はFLT98のほうが引き締まった感じ。これは上記のρ星よりも明るいアンタレスでよく分かった。

本来はさらに過剰倍率をかけてエアリーディスクやでディフラクションリングの状態などに言及する必要があるし、それならある程度定量的な評価が出来ると思うが、残念ながら私はそこまでの知識や重星観察経験がないので省略する。なにより3mmより短いアイピースやバローレンズを持っていないので仕方ない。なのでおおざっぱに言うと、FLT98とED100Sfの差は予想していた(というか期待していた)よりは小さかった。ED100SfがF9という無理のない設計のためか、逆にFLT98がf6.3という短焦点ながら優秀なのか。対象のコンディションがもっと良ければはっきりとした違いが出るかもしれない。次は面積のある月や惑星で比べてみたい。

最後に、参考のためにガイド鏡として使っているケンコーSE102(3mm・167倍)に変えてみたが、これは明らかに上記両アポよりも劣る。鏡筒付け替えの時間をはさんで比べてみても、一見してはっきり分かるほどレベルが違う。ρ星は分離できるものの、星像が大きくボンヤリした感じ。アンタレスはギラギラとして汚い印象。それにドローチューブ繰り出しで視野内の星が横にズレていき(何故?)、ピントが合わせにくい。高倍率向けの鏡筒ではないことがはっきり分かる(けなしているのではなく、低倍率眼視向けの超高コストパフォーマンス鏡筒だと思う)。

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