ELシートの違いによるフラット画像の差

先日購入したELシートとKissX4で撮影したフラット画像に色ムラがあり、曇天でフラット画像を撮り直した(こちら)。

そのELシートを見てみると、うっすらと色ムラが見えたので、これはELシートが原因である可能性が大きいということで、こちらから新たにELシートを購入し直した。購入したのは高輝度白色タイプのA5版。

左が先日購入して色ムラが有りそうな方(以下、「古い方」)。
右が今回購入した高輝度タイプ(以下、「新しい方」)。

Camera RAWの昼光設定で現像したが、どちらも青っぽい。しかし、新しい方が白に近い。

これ(↑)は古い方で、シートの中央部をR=G=B=128になるように調整して現像した。すると、色ムラがはっきり分かるようになった。

これ(↑)は新しい方で、同じくシートの中央部をR=G=B=128になるように調整して現像した。色ムラはほとんど無いようだ。

次に改めて、KissX2とEF100mm F2.8Lマクロでフラットを撮影し直してみた。
感度はISO100、絞りは2.8開放で、絞り優先AEで撮影し、RAWファイル(CR2)をCamera RAWにて、シートの中央部が概ね「R=G=B=128」になるようにして現像した。

シートそのものの状態を見たいため、シートとカメラの間には何も挟まず、減光はしていない。高速シャッター速度によるムラなどの影響が気になる所だが、そこは妥協した。

まず古い方(↑)。
左右でやや色が異なる。しかしそれほどひどくは無い。

古い方で、シートを少しずらせて撮影した(↑)。
すると、明らかな色ムラが生じた。ちょうどシートの色ムラの強い部分がレンズの前に来たのだと思われる。これではまともなフラット補正は出来ない。

次に新しい方(↑)。
右側が若干青っぽいが、古い方よりはムラが小さい。

新しい方で、シートを少しずらせて撮影した(↑)。
ほとんど変化は無いようだ。

そういうわけで、ELシートにも品質に差があって、フラット画像に大きく影響することが分かった。特に色ムラ部分がレンズの前に来ると、かなり目立つようだ。

今後は新しい方でフラット撮影をしていこうと思う(もちろん今回とは違い、減光と色補正をして撮影する)。

最後に、新しい方で撮影したフラット(減光と色補正で撮影したもの)にて、昨年末に多可町で撮影した「オリオン座中心部」を処理した(処理は「RStacker」)。

20111230-Center-of-Orion
オリオン座中央付近の星野(Kiss X2・100mm)
  • 【環境】2011/12/30 22:21 – /兵庫県多可町/気温:-2℃/光害レベル:SQM-L測定値=20.9
  • 【光学系】EF100mm F2.8L マクロ IS USM / F2.8開放
  • 【カメラ】Canon EOS Kiss X2
  • 【架台・ガイド】スカイメモR/ノータッチ恒星時追尾
  • 【ソフトウェア】<処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】ISO800, 180sec x 12コマ
  • 【処理法】:RStackerでダーク減算、lightroom3.5で現像、ステライメージ6.5(加算平均・調整), Photoshop CS5、トリミングなしで縮小

多可町の南天はかなりの光害があり、100mmの広い写野だと画面内でもカブリ量の差が大きく生じる。そのためフラット補正だけでなく、ステライメージのカブリ補正を用いて修正する必要があった。

この領域はオリオン大星雲、馬頭星雲、燃える木、M78星雲等多くの星雲があってにぎやかな領域。無改造カメラでも、これらの明るい星雲はそこそこ写る。非常に薄い星雲も広く分布しているが、これをちゃんと出すには、もっと露出時間が必要と思う(この時は残念ながら3分×12枚しか撮れなかった)。

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