サドル~三日月星雲付近(Askar ACL200・Quad BP・光害地・月明)

サドル~三日月星雲付近
サドル~三日月星雲付近(はくちょう座)
  • 【環境】2020/11/21 18:56 – 21:28 / 兵庫県明石市/気温10℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.7・月齢6.2の月明あり
  • 【光学系】Askar ACL200(200mm F4)/ Quad BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.84/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・180sec x 43コマ/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
  • 【処理法】
    • ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー
    • FlatAide Proによシェーディング補正
    • DeepSkyStackerによる加算平均合成
    • Photoshop CC、ステライメージ8による調整
    • 3×3ソフトビニング・トリミングなし

光害地の自宅で半月の月明がある状態で撮影した、はくちょう座のサドル付近の星野。右下に特徴的な形状をした三日月星雲(NGC6888)が写っている。

先月購入したAskar ACL200での撮影を続けているが、対光害フィルターと光害によるカブリの複合した色むらのため処理が難航している。フラットもなかなか合わない。200mmは望遠レンズの領域だが、望遠鏡としては短焦点で広写野のため光害地で背景を均一にするのは苦労する。実は11月上旬にComet BPフィルターでいくつか撮影していたが、背景の色むらをどうしても補正できず処理を保留している。今回はQuad BPなので少しはマシになっているが、それでもかなりの時間がかかった。

まず、ACL200は周辺減光が少なく、本来ならフラット無しでかなりの強調ができると思うが、対光害フィルターを入れているためか、中央部と周辺部で色が異なってしまう。これもフラット補正で修正できればいいが、ELシートによるフラット画像は合わなかった。また、光害によるカブリも撮影対象の移動により時間によって向きが変わるので、それを合成したときの分布が複雑になる。

これについては色々と試行錯誤して、ついにPI(PixInsight)の試用版まで申し込んでDBE(DynamicBackgroundExtraction)の適用まで試したが、今回のように全体に星雲が分布している領域では十分なバックグラウンドサンプル点が設定できず、うまく行かなかった(PIの操作に慣れないせいもあるかも)。結局、FAP(FlatAidePro)のVoid画像を用いたシェーディング補正で粗く補正し、残りはステライメージ8のカブリ補正で根気よく補正した。それでも残った色ムラは彩度を低くして誤魔化した。Void画像とは本来の写野と少し離れていて星雲や特徴的な天体が無い場所を撮影した画像のことで、星を消してガウスぼかしを入れ、それで除算か減算する。FAPでは簡単に作成できシェーディング補正ができるが、特にFAPでなくても同じことはできると思う。PIのDBEのバックグラウンドモデルに使えれば良いのにと思ったが、やり方が分からず・・・。いずれにせよ、保険的な意味で一コマだけでも撮影しておいて損はないと思う。

今回は様々な試行錯誤に砥峰高原まで3往復はできそうな時間を費やした。やはり200mmぐらいならポータブル赤道儀と共に遠征して、さっと撮ってさっと処理するのが良いかと思った。

なお、PIについては行きがかり上試用版を入手したので、45日の試用期間でぼちぼち試して購入するかどうか考えたい。

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