- 【環境】
- 2022/1/2 3:00 – 5:52 / 兵庫県明石市/気温 -2℃/光害レベル:SQM-L測定値=19.2
- 2022/1/8 3:01 – 5:42 / 兵庫県明石市/気温 0℃/光害レベル:SQM-L測定値=19.1
- 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ Quad BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
- 【ソフトウェア】<撮影>APT3.90/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・オフセット30・PHD2によるオートガイド
- (2022/1/2)ゲイン300・180sec x 50コマ
- (2022/1/8)ゲイン200・180sec x 51コマ
- 合計303分
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
- 2×2ソフトビニング・トリミング有り
光害地の自宅から撮影した、やまねこ座の惑星状星雲「PK164+31.1」。PKというカタログは「Perek and Kohoutek. Catalog of Galactic Planetary Nebulae」のことで、そのリストはこちらで見ることができる(リストの170番目)。数字の意味は銀河座標系に基づいており、銀経が164度、銀緯が+31度であることを意味しているらしい。また発見者の名前から「Jones-Emberson 1」という番号もついているようだ。私がいつも使っている「ステラナビゲータ」には無いので星図は載せられないが、位置は赤経7h57m52s, 赤緯 +53°25’17” となっている。
非常に淡い星雲なので光害地から撮影できるかどうか分からなかったが、試しにQuad BPフィルターを用いて合計5時間程度露出すると、なんとかその姿を浮かび上がらせることが出来た。正月休み期間で光害が少なく、SQM測定値が19等台まで改善していたことも良かったのかもしれない(普段は18等台)。なお今回は2晩に渡っての撮影となったが、日によって異なるゲインを使っている。これは単純なミスで、1/8の撮影でゲインを300にすべきところ200で撮影してしまった。
この星雲はその形状から「ヘッドホン星雲(Headphone Nebula)」とも呼ばれているようだ。確かに内側の突起がヘッドホンを連想させる。中心星は16.8等で青白い(上の画像にも写っている)。色合い的にはM57やM27、NGC6781などと同じく「外側が赤で内側が青緑」のパターン。
視直径は6.6’と惑星状星雲としては大きいので、焦点距離が比較的短めの光学系でも写すことができると思う。
この星雲の付近には小さな系外銀河が多く、上の画像の範囲でも星雲の左に2つ確認できる。
この2つは16~17等級で小さくて暗く、NGC番号は付いておらずPGCだけとなる。光害地でもこのような暗い天体が写せるのは、CMOSカメラとフィルターと、画像処理ソフトの進歩のおかげ。
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