散開星団NGC6802とコートハンガー星団

NGC6802とコートハンガー星団
NGC6802(こぎつね座の散開星団・光度8.8等・視直径3.0’)Cr399(コートハンガー星団) 
  • 【環境】2022/10/30 18:57 – 20:31/兵庫県明石市/気温 14℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.6
  • 【光学系】BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)/ Quad BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】AZ-GTi赤道儀モード/ASIAIR Pro/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
  • 【ソフトウェア<撮影&ガイド>ASIAIRアプリ(Android)/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30/180sec x 17コマ(51分)
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 50%縮小・トリミング有り

光害地の自宅から撮影した、こぎつね座の散開星団NGC6802とアステリズム(星群)「コートハンガー星団」。星団の撮影なのにQuad BPを使っているのは、この後に散光星雲を撮影する予定があったため。試験撮影にフィルターを付け替えるのも面倒なので最初からQuad BPで撮影した。本来であればLPS-P2などのブロードバンド対光害フィルターを使った方が良いと思う。

最近はR200SSをSE2赤道儀に載せてパソコン制御で系外銀河を撮影することが多く、AZ-GTiとASI AIR Pro, BORG71FLの小型セットを全く使っていなかった(下記記事のセット)。

そうしているうちにファームウェアやソフトウェアのバージョンも上がっているはずで、あまり長期間放置しておくのも良くないと思い、メンテナンスを兼ねて久しぶりに使ってみた。

対象は何でもよかったが、ちょうど見やすい位置にあった、こぎつね座の「コートハンガー星団」を入れてみた。これにはCr(コリンダー)399という番号はついているが、散開星団ではなく単なる星の集まり(アステリズム)だそうだ。その星の並びがコートハンガーのように見えるのでそのように名付けられた。北を上にすると逆さまになる(下の画像参照)。

はくちょう座の散開星団NGC6802とコートハンガー星団
こぎつね座の散開星団NGC6802とコートハンガー星団

NGC6802は視直径3分角・8.8等級の小さくて目立たない散開星団で、派手な星雲星団が多い夏の天の川近傍領域においては特に注目されることもない。しかし暗い星がびっしりと密集している様子はとても星団らしく見える。散開星団が天の川と重なっている場合、星団なのか星の密度が高い領域なのか良く分からないことが多く、星団らしさを実感できることはあまり多くない。その点、このNGC6802ははっきりと星団であるとわかる。下はピクセル等倍でNGC6802を切り出したもの。

こぎつね座の散開星団NGC6802(ピクセル等倍切り出し)
こぎつね座の散開星団NGC6802(ピクセル等倍切り出し)

撮影してみると案外面白いことが分かったので、次はミューロン180CかR200SSの長焦点距離で拡大してみたい。

なお、NGC6802とコートハンガー星団の場所は下記の星図で示すところになる。

こぎつね座の散開星団NGC6802とコートハンガー星団の位置
こぎつね座の散開星団NGC6802とコートハンガー星団の位置

コートハンガーの星の並びはこのスケールの星図でもはっきり分かる。や座の「やじり部分」ぐらいの大きさはあるようだ。

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