ケンコー・トキナーから新発売された「PRO1D プロソフトン クリア(W)」を購入した。サイズは、私の手持ちレンズのうち星景・星野撮影によく使っている「シグマ 18-35mm F1.8 DC HSM (PENTAX用)」に合う72mm。
これまで星景・星野を撮影するときには、輝星を目立たせるために「PRO1D プロソフトンA」を使うことが多かったが、効果が大きすぎると感じることが時々あった。そのような場合、例えばコンポジットする枚数の半分をプロソフトンA使用として、残りをフィルター無しにするなどの工夫をしていた。
今回発売された「PRO1D プロソフトン クリア(W)」は「PRO1D プロソフトン A(W)」の半分程度の効果だそうで、やはり更に弱めの効果のソフトフィルターがほしいというな要望が多かったのだろうと思う。
私は発売されてすぐに入手したのだが、それと同時に梅雨入りしてしまいなかなか試写ができなかった。本来は遠征してガイド撮影で複数枚コンポジットした星野撮影で試してみるべきだが、現状なかなかそのような機会もないため、近場の大蔵海岸まで行って、明石海峡大橋の夜景を撮影してみた。
湿度の高いぼやっとした空で雲も多かったが、なんとかさそり座の頭部と一緒に写すことができた。
以下は、「フィルターなし」、「プロソフトンクリア」、「プロソフトンA」の比較。
さらに、「プロソフトンクリア+スターリーナイト」でも撮影した。これは若干暗くなるため、現像時に+0.5段の補正をした。
- 共通データ
- 2020年6月15日 20:20 – 20:26 頃 / 兵庫県明石市・大蔵海岸 /気温・光害レベル未測定
- 【光学系】SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM -> 18mm F3.5
- 【カメラ】PENTAX KP
- 【露出】:ISO400, 20sec. 1コマのみ, 固定撮影
- 【処理】Lightroomで現像 + Photoshop CCで調整
上の画像を見て分かる通り、光害地では暗い星が光害に埋もれて写らないため、フィルター無しでも星座がわかりやすい。そのため、ソフトフィルターの恩恵が今ひとつわかりにくい。特に今回は固定撮影なので星が若干流れて写っており、これもフィルター無しで星座がわかりやすくなっている要因。
無光害地でガイド撮影をして星をきっちり点像にすると、暗くて細かな星がいっぱい写って星座がわからなくなる。そのような状況でソフトフィルターが効果を発揮する。そのとき、複数枚コンポジットして星雲や天の川の強調処理をすると、輝星のにじみも増幅されるため、プロソフトンAでは効果が強すぎる。プロソフトンクリアではおそらくちょうど良い加減になると予想されるが、これは試してみないとわからない。
今回のような星景1枚撮りでプロソフトンAを使うと星よりも地上の光のにじみが過大になるが、プロソフトンクリアでは適度に抑えられている。
いずれにしても、効果を見ながら使い分ける必要があると思う。
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